リスタ・コンディショニング・ルームの施術例

首

仕事のストレスから眠れなくなりその後、倦怠感、背中の張り、顔の肌荒れなどの問題が起きている方

2023.03.27

病院での診断

うつ病(自律神経症状)

これまでの経過

※今回の掲載は本人に了解を得ている事例であることと、個人を特定できないように施しております。

5か月前に仕事が忙しくなり、2か月間は80時間の残業が続いた。ただ、職種と業務内容にやりがいを感じていたのでストレスは感じていたがこなせていた。2か月が過ぎたころからうまく眠れなってきたのと眠りが浅くなる。眠りがうまく取れなくなってきたことで、仕事中に集中力が落ちてきたりミスが起きたりするようになる。また、全身の倦怠感や首から背中にかけて張ったような重だるくなり、肌荒れも目立つようになり、胃痛も起きるようになる。
眠れなくなった時に精神科を受診、眠剤を処方してもらっているがうまく眠れないでいる。
仕事については、2か月間は80時間の残業をしたが、その後の3か月間は通常業務に戻っている。
当ルームに来室1週間前に1か月の休職となっている。
診断はうつ病(自律神経症状)であった。

職業:会社員
性格:真面目、神経質、内向的、人見知り、こだわりが強い
既往歴(過去に大きな病気をした経験):特になし
お酒:たまに飲む程度
タバコ:吸わない
趣味:特になし
家族:父親/母親/弟
家族関係は良好

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鍼灸院としての診断

自律神経機能を評価する検査機器での検査結果
きりつ名人(血圧・心拍変動解析ソフトmeijin ):安静時交感神経過緊張型/交感神経反応過剰型(起立時の反応)
※測定時間は5分間
椅子に座った状態で2分(安静)⇒立ち上がって2分(起立から立位)⇒座って1分
安静時のバランスと体位を変えたときの機能を評価する。

CMI健康調査票:CMI健康調査票:領域Ⅲ(どちらかといえば神経症の可能性が強い)

個別で高得点項目:
身体的自覚症では筋肉骨格系と疲労度、習慣
精神的自覚症では不安、緊張。
※CMI健康調査票は身体的自覚症(12系統別)と精神的自覚症(6状態別)を把握と、そこから神経症(ストレスによって精神が疲弊した状態)かどうかの確認をする検査


80時間の残業時に交感神経の過緊張状態であったが、疲労感がオブラートで包まれたような状態で自覚できないで仕事を続けたために、睡眠障害が起きたと同時に自律神経症状が全身に起きた。
その自律神経の交感神経の過緊張状態が現在も継続しており、その結果、全身の身体症状が続いている。

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治療方針

自律神経のバランスの回復によるストレス緩和

1、顔面と背部の過緊張を起こしている抗重力筋を緩和
僧帽筋/肩甲挙筋/棘上筋/棘下筋/表情筋など

2、疲労状態では脳の血流量が低下しているために脳血流の改善。

3、肌荒れの場所の血流改善

4、ホームワーク(自宅で行ってもらうこと):漸進的筋弛緩法の簡易バージョンとウォーキングなどの運動療法を用いる。
※漸進的筋弛緩法とは、筋肉のある部位に8割程度の力を10秒間入れたのち、力を20秒から40秒間抜いて脱力状態を作る。

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治療内容

1、顔面と背部へ置鍼(20分程度)
僧帽筋/肩甲挙筋/棘上筋/棘下筋/表情筋
※置鍼とは、鍼を刺入した状態で置いておくこと。

2、脳血流改善を目的に、四肢末端への鍼治療プラス低周波鍼通電(20分程度)

3、頭のてっぺん付近(ツボ名は百会)と眉間(ツボ名は印堂)に鍼治療プラス低周波鍼通電(20分程度)

4、脳血流改善を目的に、頭の左右(ツボ名は頭維)に鍼治療プラス低周波鍼通電(20分程度)

5、ホームワーク:毎日の課題・漸進的筋弛緩法の簡易バージョン


初診時
現在の困りごとを伺った後、現在の自律神経の状態を確認するために『きりつ名人』を行う。
次に、症状や状態の説明を生物-心理-社会モデルで説明を行った後に上記の内容の鍼施術を行った。
表情筋への置鍼は、咬筋とした。
ホームワークとしては、漸進的筋弛緩法を毎日と美顔ローラーをお持ちだったために、抗重力の場所を伝え毎日に行っていただくこととした。

第2セッション
前回の施術後の確認。鍼当たりがあったかどうかなどネガティブな要因とポジティブな変化があったかの確認を行う。
以後、2セッション~14セッション(9セッション以降は頻度は隔週とした)の終了まで鍼施術内容に変化はない。

ホームワークについては、第5セッション以降、ストレッチを追加している。

きりつ名人について14セッションで行っている。
14セッション時:安静時健常型/健常型

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施術回数・頻度・期間

施術回数:14回
頻度:週1回~終盤は隔週1回
期間:5カ月

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施術後のケア

本人の希望で、症状の解決後はコンディショニングと美容(肌の状態を整える)を目的に月に1回ペースで施術に来られている。

ヨガ、ウォーキング、散歩、その他なんでもいいので日常的に気分転換できる運動を生活の中に取り入れるようにアドバイスする。

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