リスタ・コンディショニング・ルームの施術例

目

一日中のパソコン業務とストレスから後頭部の痛みや肩こり、頸部痛、便秘で困られている方

2023.01.12

病院での診断

緊張型頭痛

これまでの経過

※今回の掲載は本人に了解を得ている事例であることと、個人を特定できないように施しております。

仕事がほぼ一日中パソコンを使用しての仕事で、以前から肩こりや腰痛などはあった。
ただ、去年の移動で上司が変わり、その上司が何かにつけいちいち細かく言ってくるタイプで、また何か言われるのではないかなどプレッシャーを感じながら仕事を行わないといけない状況になってしまった。
上司が変わって6か月ほどたったころ、会社に行くのが憂うつになり眠りも浅くなりはじめていた。
ある日、寝ていて急に後頭部が締め付けられるような痛みがあり不安になって内科(心療内科も標榜している)を受診したところ緊張型頭痛と言われ、抗うつ薬と頓服で鎮痛薬とが処方された。

姿勢のことをいった時に、本人は仕事が終わったらスマホが離せないとも言っていた。

職業:会社員
性格:真面目、大雑把、外向的、
既往歴(過去に大きな病気をした経験):特になし
お酒:たまに飲む程度
タバコ:吸わない
趣味:スキー
家族:父親/母親/弟
家族関係は良好

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鍼灸院としての診断

自律神経機能を評価する検査機器での検査結果
きりつ名人(血圧・心拍変動解析ソフトmeijin ):安静時交感神経過緊張型/交感神経反応過剰型(起立時の反応)
※測定時間は5分間
椅子に座った状態で2分(安静)⇒立ち上がって2分(起立から立位)⇒座って1分
安静時のバランスと体位を変えたときの機能を評価する。


CMI健康調査票:CMI健康調査票:領域Ⅲ(どちらかといえば神経症の可能性が強い)

個別で高得点項目:
身体的自覚症では筋肉骨格系と泌尿生殖器系、疲労度、習慣
精神的自覚症では不適応、抑うつ、怒り、緊張。
※CMI健康調査票は身体的自覚症(12系統別)と精神的自覚症(6状態別)を把握と、そこから神経症(ストレスによって精神が疲弊した状態)かどうかの確認をする検査


パソコンとスマホによる姿勢の問題に加えて、上司が変わったことでの心理的ストレスによる反復性緊張型頭痛であろうと考える。
と、同時に自律神経の過緊張状態である。

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治療方針

1、後頚部の筋緊張緩和を目的にトリガーポイントへ鍼治療

2、両肩の筋緊張緩和を目的にトリガーポイントへ鍼治療

3、自律神経のバランス維持と筋緊張のある抗重力筋の緩和
  便秘に関しては、自律神経のバランスが整うことで解消するであろうと考える。

4、認知行動療法から上司との関係調整を行うための技法の指導。

ストレス対処目的
憂うつな気分を訴えているために、脳の血流量が低下している可能性を考えて、脳の脳血流の改善とセロトニンの活性化を目的に行う。

5、ホームワーク(自宅で行ってもらうこと):動的ストレッチと漸進的筋弛緩法


問診時には、後頭部痛や肩こりなどの身体の状態と上司との関係性の問題による心理的ストレスも訴えていたために、鍼治療と認知行動療法から関係性に対処する技法の指導とホームワーク(自宅で行ってもらうこと)で施術を進めることとした。
なお、治療途中でも上司との関係性でネガティブな考えが強く出るようであれば、本格的に認知行動療法を併用することとした。

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治療内容

1、後頭下筋群(後頭部)のトリガーポイントに置鍼(20分程度)
※置鍼とは、鍼を刺入した状態で置いておくこと。

2、僧帽筋(両肩と背中)、胸鎖乳突筋(首の横の筋肉)のトリガーポイントに置鍼(20分程度)

3、僧帽筋以外の筋緊張している抗重力筋に置鍼(20分程度)

ストレス対処目的
脳血流改善を目的に、四肢末端への鍼治療プラス低周波鍼通電(20分~30分程度)(どこのツボではなく肘から先と膝から先に鍼治療を行うことで、脳血流が改善することがわかっている)

4、ホームワーク(自宅で行ってもらうこと):動的ストレッチと漸進的筋弛緩法


初診時
現在の困りごとを伺った後、現在の自律神経の状態を確認するために『きりつ名人』を行う。
次に、症状や状態の説明を認知モデル/認知行動モデルで説明を行った後に上記の内容の鍼施術を行った。

ホームワークとしては、動的ストレッチを指導


第2セッション
前回の施術後の確認。鍼当たりがあったかどうかなどネガティブな要因とポジティブな変化があったかの確認を行う。

以後、2セッション~10セッションまで毎週行う。
この間に上司に対しての対応方法などを、鍼治療を行う前に10分程度を使って指導を毎回行った。

10セッション~15セッションは頻度は隔週とした。
上司に対しての対応は問題なくでき、いちいち悩まされなくなってきているという発言も聞かれていた。

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施術回数・頻度・期間

施術回数:15セッション
頻度:週1回から始め隔週1回
期間:約6か月

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施術後のケア

本人にヨガを勧めたが、本人はピラティスがいいのだがと言ったためにピラティスを行ってもらうこととした。

また、問題が生じたらすぐに来るように伝えた。

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