リスタ・コンディショニング・ルームの施術例

顔

仕事のストレスからの疲労と睡眠障害で悩まれている方

2022.12.18

病院での診断

不眠症

これまでの経過

※今回の掲載は本人に了解を得ている事例であることと、個人を特定できないように施しております。

1年前よりコロナの影響で仕事が慌ただしく、忙しくなりまた、緊張状態が続きプレッシャーを強く感じながら仕事を行っていた。
約3か月前より、背中が張ってきてだんだん眠りも浅くなりはじめてきた。
睡眠に関しては、このようになる前は布団に入るとすぐに眠れていたが、今は眠るのに1時間以上かかる日もあり、眠っていてもちょっとした音に反応したり、眠りが浅く朝もすっきりと目覚めることがなくなってきている。
また、夫が言うには、忙しくなりはじめてから眠っている時に歯ぎしりをするようになっている。

睡眠がよくなくなってきたのと、仕事中に集中力が続かなくなってきている感じていたので、1か月前に自宅近くの内科を受診。
睡眠剤を処方されたことで、以前に比べて眠れるようにはなってきているが、まだ眠りが浅くスッキリとは起きれない状況と背中の張りと歯ぎしりは相変わらず続いている。
もう少しよくなるために何かできないかとネットを検索していたところ、ストレス疾患専門という当ルームのホームページを見つけて来室される。

職業:公務員
性格:真面目、少し神経質、外交的、社交的
既往歴(過去に大きな病気をした経験):重篤な病気や入院・手術はしたこともない。
たばこ:吸わない
お酒:外食時に少し飲む程度
趣味:ピアノ
家族:夫・30代
結婚:2年・夫婦仲は良好

続きを見る

鍼灸院としての診断

自律神経機能を評価する検査機器での検査結果
きりつ名人(血圧・心拍変動解析ソフトmeijin ):安静時交感神経過緊張型/交感神経反応過剰型(起立時の反応)
※測定時間は5分間
椅子に座った状態で2分(安静)⇒立ち上がって2分(起立から立位)⇒座って1分
安静時のバランスと体位を変えたときの機能を評価する。


CMI健康調査票:CMI健康調査票:領域Ⅲ(どちらかといえば神経症の可能性が強い)
個別で高得点項目:身体的自覚症では疲労度と習慣/精神的自覚症では不適応と緊張
※CMI健康調査票は身体的自覚症(12系統別)と精神的自覚症(6状態別)を把握と、そこから神経症(ストレスによって精神が疲弊した状態)かどうかの確認をする検査
※CMI健康調査票で抑うつや不安の項目の得点が低かったために追加での検査は必要ないと考え行っていない。

状態の考え方として、
交感神経の過剰な緊張
それによる睡眠障害及び疲労と背部の緊張、歯ぎしりが起きている。

続きを見る

治療方針

自律神経のバランスの回復によるストレス緩和

1、頸部と背部の過緊張を起こしている抗重力筋を緩和
胸鎖乳突筋/僧帽筋/肩甲挙筋/棘上筋/棘下筋/など

2、表情筋の緩和(抗重力筋)
目的は副交感神経の働きを促す。
※自律神経のバランスが回復後も歯ぎしりが続く場合は咀嚼筋に鍼治療を行う。

3、後頭下筋群の筋緊張緩和

4、疲労状態では脳の血流量が低下しているために脳血流の改善。主に前頭前野

5、ホームワーク(自宅で行ってもらうこと):漸進的筋弛緩法の簡易バージョンとウォーキングなどの運動療法を用いる。
※漸進的筋弛緩法とは、筋肉のある部位に8割程度の力を10秒間入れたのち、力を20秒から40秒間抜いて脱力状態を作る。

続きを見る

治療内容

1、頸部と背部へ置鍼(20分程度)
胸鎖乳突筋/僧帽筋/肩甲挙筋/棘上筋/棘下筋/
※置鍼とは、鍼を刺入した状態で置いておくこと。

2、表情筋へ置鍼(20分程度)

3、脳血流改善を目的に、四肢末端への鍼治療プラス低周波鍼通電(20分程度)

4、頭のてっぺん付近(ツボ名は百会)と眉間(ツボ名は印堂)に鍼治療プラス低周波鍼通電(20分程度)

5、脳血流改善を目的に、頭の左右(ツボ名は頭維)に鍼治療プラス低周波鍼通電(20分程度)

6、後頭下筋群に置鍼(20分程度)

7、ホームワーク:毎日の課題・漸進的筋弛緩法の簡易バージョン


初診時
現在の困りごとを伺った後、現在の自律神経の状態を確認するために『きりつ名人』を行う。
次に、症状や状態の説明を生物-心理-社会モデルで説明を行った後に上記の内容の鍼施術を行った。
表情筋への置鍼は、咬筋とした。
ホームワークとしては、漸進的筋弛緩法を毎日と美顔ローラーをお持ちだったために、抗重力の場所を伝え毎日に行っていただくこととした。

第2セッション
前回の施術後の確認。鍼当たりがあったかどうかなどネガティブな要因とポジティブな変化があったかの確認を行う。
以後、2セッション~12セッション(9セッション以降は頻度は隔週とした)の終了まで鍼施術内容に変化はない。

ホームワークについては、第5セッション以降、ウォーキング(早歩き・日に20分を週4日~5日)を追加している。

きりつ名人について5セッションと12セッションで行っている。
5セッション時:安静時健常型/交感神経過剰反応型
12セッション時:安静時健常型/健常型

続きを見る

施術回数・頻度・期間

施術回数:12回
頻度:週1回~終盤は隔週1回
期間:3カ月

続きを見る

施術後のケア

本人の希望で、症状の解決後はコンディショニングを目的に月に1回ペースで施術に来られている。

ヨガ、ウォーキング、散歩、その他なんでもいいので日常的に気分転換できる運動を生活の中に取り入れるようにアドバイスする。

続きを見る