伝統鍼灸 心月院の施術例

腹

よだれづわり

2020.03.28

これまでの経過

8月の下旬くらいからつわりの症状が出現し、9月の中旬頃から大量の唾液が出るようになる。
唾液量が増えてからは、5分に一度は口の中が唾液で充満するようになり、その度に吐き出していた。
外出時など唾液を吐き出せない時は無理矢理飲み込んでいたが、何度が飲み込むと吐き気がこみ上げて嘔吐してしまうため、だんだんと外出もできなくなってしまった。
特定のにおいを嗅いだり、冷たい飲み物を飲んだりすると悪化し、嘔吐の後や食事中は一時的に楽になる。
【その他特記事項】
妊娠前までは揚げ物をよく食べていた。
幼少期からやせ型で下痢をしやすかった。

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鍼灸院としての診断

痰飲内停
胃失和降

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治療方針

体質として脾(胃腸)の弱りがある中、普段からの飲食不節によって水湿が体内に停滞しがちであったところに、妊娠により気が上昇しやすくなり、主訴を発症したと考えました。
いざ診察してみると、脾の弱りは軽度であったため、治療は水湿を除去することに主眼をおきました。

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治療内容

<初診>
腹部のツボ一箇所に刺鍼。
よだれの量が少し減少、吐き気がとまる。

<第2診>
抜鍼後5分ほどすると唾液状のものを大量に嘔吐し、その後よだれは殆どなくなる。(2診目の治療後に唾液状のものを大量に嘔吐した後によだれが無くなったのは、出し切れていなかった水湿を体内から除去できた結果だと考察しています。)

<第3~4診>
軽くムカムカ感はあるものの、よだれは殆ど無く、嘔吐もなくなったため、治療を終了。

※ツボの選定は個人の体質、土地柄、季節によって変動します。「この疾患にはこのツボ」というような誤解を与えかねないので使用したツボは明示しません。

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