トキの森鍼灸院の施術例

コロナ後遺症による後鼻漏に対する鍼灸施術の経過報告

2026-05-01

病院での診断

後鼻漏

これまでの経過

主訴:後鼻漏(こうびろう:鼻水が喉の奥へ流れ落ちる状態)
お悩みの内容:コロナ罹患後から痰が絡むようになり、鼻水が喉の奥に流れ込む不快感が持続。耳鼻科で半年ほど通院するも改善せず、慢性的な後鼻漏に悩んでいる。

2020年頃のコロナ罹患後より痰が出るようになり、その後も後鼻漏が慢性的に持続。耳鼻科に半年通院するも改善がみられなかった。
一度は頸肩部痛で来院し改善したが、その後仕事の多忙により体調が悪化し再来院。後鼻漏を主訴として施術を開始した。
施術直後は後鼻漏が軽減または消失するが、時間の経過とともに再発する状態を繰り返していた。
最終的には改善に時間と回数が必要と判断され、時間的・経済的負担から通院継続が難しくなり途中離脱となった。

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鍼灸院としての診断

・コロナ後遺症に関連する上咽頭の機能低下
・東洋医学的には「肺虚」と「腎虚」
(肺虚=呼吸器や免疫機能の低下、腎虚=体力や回復力の低下を示す状態)
これらにより、鼻や喉の防御機能が弱まり、分泌物の排出異常(後鼻漏)が生じていると考えた。

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治療方針

・アレルギー反応や炎症の軽減
・上咽頭周囲の血流改善
・自律神経の調整(特に交感神経の過緊張の緩和)
・肺・腎の機能を補う体質改善

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治療内容

初期(1~2診目)
・頸部や関連筋への鍼施術
・パイオネックス(貼付型の微小刺激鍼)による持続刺激
・アレルギー反応を抑えるためのツボ刺激
→施術直後は後鼻漏が消失するなど、即時的な効果を確認

中期(3診目)
・天牖(てんゆう:首の側面にあり、自律神経や耳鼻咽喉に関係するツボ)への低周波鍼通電療法
(鍼に微弱な電気を流し、筋肉や神経の働きを整える施術)
→変化は乏しく、持続効果に課題あり

後期(4診目)
・同様の施術を継続
→「少し良い気がする」との主観的改善はあるが、安定した改善には至らず

症例のまとめ
本症例は、コロナ後遺症を契機とした慢性的な後鼻漏に対する鍼灸施術の経過である。
施術直後には症状の軽減がみられ、鍼灸による一定の効果は確認できた。しかし、時間経過とともに症状が再発することから、体質的な改善には継続的な施術が必要なケースであった。
最終的には、改善までに必要な期間や回数の負担により通院継続が困難となり途中離脱となった。
この症例から、慢性症状やコロナ後遺症に関連する不調は「即効性」と「持続性」が異なり、継続施術の重要性をいかに伝えるかが課題であることが示唆された。
同時に、患者の生活状況や経済的負担も考慮した現実的な施術計画の提示が重要であると考えられる。

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施術回数・頻度・期間

・施術回数:4回
・頻度:週1回ペース
・期間:約1ヶ月
※途中で通院中断

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施術後のケア

・体調管理(過労を避ける)
・首肩周囲の血流を保つセルフケア
・症状が軽減しても間隔をあけすぎず継続施術を行う重要性を指導

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