鍼灸大福丸の施術例

胸

小児喘息

2022.03.25

病院での診断

小児喘息

これまでの経過

一昨年の年末、1歳半で初めて喘息発作を発症し、
それ以降、3月や10月など季節の変わり目で喘息発作を起こすようになる。

発作の原因を調べるために、検査入院したが原因は不明。

最初の発作が起こった時から、発作が起きないように毎日服薬しているが
やはり季節の変わり目には大きな発作が起こる。

小さな体にこのまま服薬させ続けるのは気がかりに思い、
鍼灸治療で治せないかと来院されました。

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鍼灸院としての診断

来院当時3歳の男の子は、とても元気が良く、よく食べるお子さんでした。
特にフルーツが好きで、毎日のようにバナナや季節のフルーツを食後に楽しんでいたようです。
また、初孫&一人っ子で両親やおばあちゃんからとてもかわいがられているようでした。

今回の症例でのポイントは2つ。
周りの大人からの注目が集まりすぎていることと、
食べ過ぎ(特にフルーツ)です。

まず1つ目のポイント、周りの大人からの注目が集まりすぎていること。
大人でもそうですが、あまりにも自分に注目が集まっていると
知らず知らずのうちに体が緊張してしまうものですよね。
それは、こどもさんでも同じです。
むしろ、こどもは、大人よりもより敏感に周りの空気を感じ取っていると思います。

毎日新しい刺激を受けたり、保育園や幼稚園に通うだけでも
小さな体は緊張したり、がんばったりしています。
体が緊張していると、東洋医学でいう肝の臓に問題が出てきます。

2つめの食べ過ぎでは、隔が詰まってしまいます。
東洋医学でいう隔とは、横隔膜と同じような機能を持つものと思ってください。
たくさん食べると、隔が詰まり、咳が出やすくなります。
体質によっては、頭痛として出てくることもありますね。

また、フルーツは水分をたくさん含んでいるので、食べ過ぎると消化器官の働きが悪くなりやすいです。
消化器官の働きが悪くなり、体内の水の代謝が悪くなり、いらない水分が体にたまって痰などを引き起こしやすくなります。

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治療方針

治療では、以下の3つを意識しました。
●緊張している体を緩めること
●隔のつまりを取ること
●食べ過ぎた胃腸を整えること

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治療内容

まず、舌と脈を見させてもらい、全身のツボを触診していきます。

お子さんの治療なので刺さない鍼で行います。
治療するツボや手技は、その日の体・症状によって様々ですが、
大体背中に治療することが多かったです。

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施術回数・頻度・期間

週1回の治療を半年間続けていただき、その間も大きな発作は起こりませんでした。
その後は、2週に1回~1か月に1回の治療頻度に減らしましたが、大きな発作は出ていません。
最初に懸念されていた服薬も、今は毎日飲まなくても喘息発作は出なくなっています。

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施術後のケア

養生法は
●フルーツの食べ過ぎに気を付ける(特にバナナは痰ができやすいです)
●外で元気よく遊ぶ(体がしっかり疲れることで、体の緊張や神経の高ぶりが抑えられます)

症状が悪化する前に、早めに治療に来ることが大切です。
また、症状がなくなってからも、月1回程度の治療を続けることで
大きな発作が出るのを予防してくれます。

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