鍼灸ひより堂の施術例

目

物が二重に見える(外転神経麻痺)

2023.03.21

病院での診断

外転神経麻痺による複視

これまでの経過

突然物が二重に見えるようになり眼科を受診。
MRIなどで脳に異常がないことを確認し、ステロイド治療を開始したが症状が改善しなかった。
近くを見ている時には症状が軽減し、左外側と遠くを見る時に症状が悪化するため屋外に1人で出ることが出来なくなった。

続きを見る

鍼灸院としての診断

外転神経麻痺により外眼筋の一つである外直筋が運動障害を起こすと、患側の外方を見ると症状が悪化する。
また遠くを見る際には輻輳という眼球が外側に動いて焦点を合わせる動きが起こるが、これも正常に動かないため複視が悪化する。
この両方が起こったことにより、左外転神経の麻痺であると診断。

続きを見る

治療方針

外転神経麻痺が起こる原因は様々だが、今回の場合には脳に問題がないことから、神経を栄養する血管が循環障害を起こしたためであると考えた。
そのため外転神経を栄養する血管に関係する内頸動脈に影響を与える首の周囲や、外眼筋の働きを高めるために目の周囲に対して施術をした。
まだ急性期に近いことから、出来るだけ短期間で健康度を高めるために、短期間で集中的に施術することとした。

続きを見る

治療内容

後頸部や側頸部の筋肉を緩めるために、うつ伏せでは後傾部や側頸部に太さ20mm長さ40mmの鍼で施術。
その後、仰向けで目の周囲への施術と、全身の血液循環を良くする目的で足のツボに施術。

2回目の来院時に様子を伺ったところ、約40%の症状が無くなってかなり楽になったということでした。
また3回目の来院時には、既に80%の症状が無くなったということでした。
さらに4回目の受診時に伺うと、外方に目を向けた時に僅かに残っていた複視も完全に無くなったということでした。
施術内容は全て同様です。

続きを見る

施術回数・頻度・期間

完全に症状が回復するまでに4回。
頻度は週2回。
初診から3週目には症状治癒。

続きを見る

施術後のケア

こうした抹消神経の循環障害は、ストレスなどの交感神経の緊張や食生活の変化、あるいは更年期などで起こることもある。
そのため日常生活の管理は非常に重要であることをお伝えし、運動習慣の改善などを指導した。

続きを見る