鍼灸ひより堂の施術例

目

ステロイド剤による開放隅角緑内障による視野狭窄

2022.02.08

病院での診断

開放隅角緑内障

これまでの経過

眼の感染症でステロイド点眼を使用したことで眼圧が高くなり、
その後開放隅角緑内障と診断された。
病院での治療だけでは不安なため、
それ以外の治療法を求めて鍼灸治療を選択され来院。
将来に対する不安感が強く、
眼瞼ミオキミアや背部痛を発病。
また不眠傾向も出るようになっている。

続きを見る

鍼灸院としての診断

ステロイド点眼を続けたことで眼圧が高くなり、
開放隅角緑内障を発病したと考えられる。
また失明するのではないかという不安感が元で、
様々な不安神経症状(眼瞼ミオキミア・背部痛・不眠)が出ていると思われる。

続きを見る

治療方針

・眼底部の血流を増やし、網膜の健康度を高める。
・不安症状に対して精神の安静を図る。
・局所的な筋緊張を取り除き、リラックス状態を体感して頂く。
・手足への鍼灸刺激により、神経伝達をスムーズになるように調整。

続きを見る

治療内容

【初診時】

 不安症状が強いため、まずはリラックス感を感じて頂くために、体全体の筋緊張を取り除くことを目的として、首肩や背部の施術をしっかり行いました。
頚部と背部には長さ40mm太さ0.2mmの鍼を使用し、目の周囲には長さ15mm太さ0.1mmの鍼を使用。

その後、同様の施術を週2回継続。
眼瞼ミオキミアや背部痛は、施術開始1か月以内に消失。

【10診目以降】

 不眠傾向が続いたため、腹部への温灸治療を追加。
鍼と灸では効果が違うため、症状に応じて使い分けている。
温灸を追加したことで、睡眠状態も改善した。

【施術2か月後の経過】

 掛かりつけの眼科にて視野検査。
検査結果をプリントアウトして持参して頂いたところ、
前回の検査時よりも視野の若干の拡大を確認。

まだ施術開始2カ月であるため一喜一憂できないが、
患者さんの心理状態は大きく変わったご様子でした。

続きを見る

施術回数・頻度・期間

週2回 最初の3か月
それ以降は週1回

今回は施術開始2カ月後の結果

続きを見る

施術後のケア

視野検査は、その時の心理状態や体調も関係するため、
あまり短期間の結果で一喜一憂せず、
年単位での管理が重要となります。

ただ毎回の検査で受ける心理的負担は大きいため、
出来るだけ検査結果を落とさないように、
鍼灸師としては神経を使うことが必要です。

緑内障では視野狭窄の自覚が遅れるため、
眼底検査と共に視野検査がとても重要になります。

また眼圧の上昇を抑えるためには、
点眼薬も忘れないように指導する必要があります。


また心理的不安感の影響を受けやすく、
それで更に心理的不安を感じるという悪循環のため、
継続した心理的サポートも重要となります。

続きを見る