鍼灸ひより堂の施術例

目

甲状腺眼症による眼球突出

2020.11.05

病院での診断

甲状腺眼症

これまでの経過

・1年前にバセドウ病を発病。
・その後バセドウ病による甲状腺眼症を発症。
・症状は眼球突出、まぶたの腫れ、眼精疲労、眼痛など。
・病院での検査では左右20mmの眼球突出。
・現在のところ3~6か月に1回眼科を受診。
・症状が残るようなら眼窩減圧術の手術と言われた。
・当院に来院前に他院で鍼灸治療を経験済

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鍼灸院としての診断

・初回カウンセリング時に両眼とも眼球突出を確認。
・まぶたは上下とも腫れて赤みがある。
・複視はない。
・当院のヘルテル氏眼球突出計の検査でも、
 右20mm 左19.5mmを計測。
・脈診では頻脈等はなし。
・頸部の腫れと固さを確認。

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治療方針

1.増加した眼窩の血流を抑制する。
 
 甲状腺眼症では、
炎症による眼窩内の血流増加とうっ血が起こる為、
炎症を鎮めて過剰な血流を抑制する。

また炎症物質を素早く取り去り、
腫れを早く引かせるように施術する。

2.眼の周囲の不快症状の解消。

 眼窩内の継続的な炎症により、
知覚神経が過敏な反応を示しているので、
そうした過敏症状を鍼灸でブロックする。

また眼精疲労や首肩の凝りも同時に改称することで、
自覚的なストレスを緩和する。
眼科疾患や甲状腺疾患にとって、
ストレスは発病や悪化原因になるため、
不快症状を取り去ることはとても大事です。

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治療内容

【初回施術時】

 初回カウンセリング時に、
非常に強い後頚部と背部の凝りを確認していたため、
こうした症状を確実に取り去る鍼をしました。

また眼痛や眼精疲労に対しても、
知覚神経である眼神経に、
ブロックを掛けるように施術をしました。

使用した鍼は、
長さ15mm~40mm、太さ0.1mm~0.14mmと、
非常に細い鍼です。

施術終了時に症状をお伺いすると、
かなり不快症状が軽減したということでした。

また、
前回経験した鍼とは違い、
施術直後から変化があったことから、
継続して通院することを決めたということでした。

【1か月後】

 約1カ月同様の施術をした後、
当院でヘルテル氏眼球突出計を使用して眼球突出を測定。

右20mm→17mm 左19.5mm→16mm

となっていました。

3か月程度はこのままの頻度で継続予定。

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施術回数・頻度・期間

施術回数:8回
頻度:週2回
期間:1か月

今後、
週2回を3カ月間継続予定です。

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施術後のケア

施術完了は、
完治もしくは眼窩内の炎症が完全に治まるまでです。

甲状腺眼症は、
バセドウ病が沈静化しても治まるとは限りません。

また鍼灸治療の適応は、
眼窩の炎症が続いている間のみで、
鎮静化して脂肪組織の増殖が終われば、
改善することが出来ません。

早期のみ改善が可能なため、
その時期を逃すと鍼灸治療は不適応となります。

そのことをしっかり説明し、
適応する時期にしっかりと施術しなくてはいけません。

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