【女性のための鍼灸院】鍼灸 風月院 の施術例

腹

過敏性腸症候群

2020.08.13

病院での診断

過敏性腸症候群(IBS)

これまでの経過

学生の頃から、緊張すると腹痛や下痢が起こることがあった。
社会人になってからは、出勤前に何度もトイレに行き下痢をすることが度々あった。会社でもお腹が痛くなったり下痢をすることがあり、病院で処方された薬を服用していた。
年々症状が悪化すると共に、足の冷えが強くなる。
40代になり、薬を飲んでも毎朝下痢が起こるようになる。症状が酷い時は、出勤前に7回もトイレに行くこともあった。
会社で仕事中も、「下痢や腹痛が起こったらどうしよう」と気になって仕事に集中できなくなる日が増えていた。

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鍼灸院としての診断

お話を伺ったところ、土日はほぼ症状が起こらず、平日もしくは休日の外出前に症状が頻発しているということでした。また、長年症状が続いていたため、患者様ご自身が不安に感じていらっしゃる状態が続いていることも、症状に影響していると感じました。
東洋医学的な弁証は肝脾不和、脾腎陽虚になります。
もともと消化器のキャパが小さいところに、緊張しやすい性格が相俟って症状を助長している面と、長年症状が続いたことが身体の冷えに繋がり、その冷えが症状を悪化させているという風に判断しました。

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治療方針

身体の冷えを改善しつつ、身体の緊張を緩めて便の状態を安定させる治療を行いました。
脈診や舌診、経穴の反応を確認したところ、緊張に関する反応よりも身体の冷えを示す反応が顕著でした。治療を続けていく中で、身体の緊張を示す反応が出てくるだろうと考え、まずは身体の冷えを改善する治療を中心に行いました。

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治療内容

初診では、背中の経穴の鍼をして体の冷えを改善する治療を行いました。その後2~15診目までは、背中や足の経穴に鍼もしくはお灸を使って身体の冷えを改善する治療を行うとともに、必要に応じて、手の経穴を使って緊張を緩める治療を行いました。
治療を続ける中で、毎朝5~7回だった下痢を伴う排便の回数が3回以下になり、徐々に下痢から軟便、普通便へと変化していきました。

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施術回数・頻度・期間

週1~2回ペースで治療行いました。
約12診目から下痢の回数が減り、徐々に便の状態が変化してきました。
24診目以降、排便回数が1日平均1~3回になり、便がほぼ毎日普通便へと変化してきました。
治療後約1年を経過した時点では、排便は1日平均1回で普通便、下痢は月に1回起こるか起こらないかという程度まで症状が改善しました。

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施術後のケア

症状が長く続いていたため、改善するまではかなり時間がかかることが予想できました。初診の時点で、必ず症状は改善すること、でも治療に時間がかかることをお伝えしました。
ご本人も仕事に差し支えるくらい困っていただけでなく、処方薬を飲み続けることにも不安を感じていたため、どうしても治したいという気持ちから根気強く治療に通っていただきました。
また、症状に対して不安に思っていること、治療に関して疑問に思うことは何でも相談していただきました。
ご本人の悩みや治療方針をどのように考えて、どう治療していくかを共有することはとても大切です。
治療を続けていても、日常生活や仕事、体調によっては、なかなか症状が改善しなかったり一時的に症状が悪化する場合があります。
悪化した時は、必ず何かしら原因があります。問診でお話を伺ったり、身体を診ることで原因が分かることが多いので、毎回できる限り丁寧に問診と身体を診るよう心掛けています。

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