下車坂治療院の施術例

左肩まわりの痛みと示指のしびれ

2021-03-16

病院での診断

頚椎症

これまでの経過

【現病歴】
201X年8月初旬に上を向いたら、左首~腕に痛みとしびれを感じた。
その翌日に整形外科を受診し、レントゲンの検査などで、頚椎症の診断を受けた。リリカを処方され、二週間、内服を続けたが、改善せず、再度整形外科を受診しリリカの量が増えた。

知人に紹介され来院された。


【自覚症状】
左示指のしびれが強い。発症時から継続してしびれている。頚の動きでたまに強いしびれを感じる。
しびれは左肩甲骨外側~上腕外側~前腕後面橈側~示指(中指も少し)とつながっている。
力の入りにくさはない。
痛みが強いのは、左肩甲間部。
階段を昇るときに症状増悪。
パソコン作業・台所仕事でも症状増悪。
ラジオ体操も症状が増す動きがある。
左手指のしびれで目が覚める。

【所見】
頚の後屈は怖くてできない。
頚の前屈で左肩甲間部の痛みが増悪。
頚の右側屈で左側頚部~肩上部の軽い痛み。
左示指に感覚鈍麻。

鍼の経験はない。

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鍼灸院としての診断

頚椎症神経根型(第6頚神経根)と推測。

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治療方針

左手指のしびれ、左肩甲間部痛の軽減を期待し、週1回のペースで鍼治療を行う。
うつ伏せで本を読むなど、改善すべき生活習慣についてのアドバイス。

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治療内容

【初診】
<右側臥位>
 左第5/6頸椎椎間関節部付近、肩甲挙筋、僧帽筋中部繊維、小円筋へ1ヘルツ10分の鍼通電と指圧5分程度
<仰臥位>
 左手三里、合谷へ1ヘルツ10分の鍼通電と指圧5分程度 
【第2診(初診から7日後)】
 左手のしびれで目が覚めることはなくなった。
 左肩甲間部の痛みは消えた。
 パソコン作業をしていると左上肢のしびれが出てくる。
 手を洗うなど、洗面所でしびれが出る。

 <右側臥位>
 左小円筋、棘下筋、肩甲挙筋、僧帽筋上部繊維へ1ヘルツ15分の鍼通電と指圧5分程度
 <仰臥位>
 初診同様

【第3診(初診から14日後)】
 左示指が少ししびれるが、だいぶ軽減した。
 左肩甲間部がこって痛い。この症状は、昔から慢性的に起こる。

 第2診の治療に左僧帽筋中部繊維へ15分の置鍼を加えた。

【第4診(初診から24日後)】
 左示指のしびれはまだあるが、軽い。
 左肩こりが強い。
 <右側臥位>
 左小円筋、棘下筋、僧帽筋上部繊維(2点)へ1ヘルツ15分の鍼通電
 左肩甲挙筋、僧帽筋中部繊維へ置鍼15分  
 指圧5分程度
 <仰臥位>
 初診同様

【第5診(初診から31日後)】
 しびれは、ほとんど気にならなくなった。
 
 治療内容は第4診同様。

 この日で治療終了。

 肩こりは慢性的にあるので、月1,2回程度でメンテナンス目的の通院をすすめた。

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施術回数・頻度・期間

初診から1か月で合計5回。

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施術後のケア

頚を反らさないようにすること。
パソコン作業や、鏡を見る時など、あごを引くこと。
うつ伏せでの読書やスマホ操作は避けること。

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