和鍼治療院の施術例

ワクチン後の体調不良

2022-04-10

病院での診断

原因不明

これまでの経過

左の臀部に痛みが出たことから始まり、坐骨神経痛かと思っていた。
ところが、しばらくすると痛みが太腿の後ろに感じるようになり、痛みの感じ方もひどくなっているように感じる。
坂を上る途中で痛みが悪化。
知人の紹介で、和鍼治療院に来院。

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鍼灸院としての診断

初診時、「これまでの経過」である内容を問診で聞きました。
症状の出方を考えると、坐骨神経痛に間違いなそうです。
空間的に考えれば、臀部の筋肉の緊張を緩和すれば、痛みの解消、症状の改善になることは容易に理解できました。

治療を開始してから、次々にいろんなことが判明することになります。
初診時の診断と治療だけでは、病の全貌を把握することが難しい時があります。
むしろ、空間軸よりも時間軸を重視することが大切な場合があり、治療を重ねることで、病の本質が見えてくることが良くあります。

今回のケースは、まさに時間軸を用いて、慎重に診断と治療を行うことが必要でした。

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治療方針

初診時、単なる坐骨神経痛として、治療を開始しました。
腰部脊柱管狭窄や腰部ヘルニアの可能性もあることから、病名に固執することなく、病の本質を見極める必要があります。

治療方針は、あくまでも東洋医学の診断を用います。
骨盤、股関節の骨格的な矯正が必要
ストレスによる影響
飲食による問題があり、食事の管理が必要
疲労の蓄積があり、回復力や生命力の向上を図る
これらの問題点が判明し、これらに対する治療を行いました。

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治療内容

初診時の診断内容に基づいて、治療を行いました。
姿勢の矯正を行った後、立位になってもらうと、少しふらつぎが出ました。
通常、背骨の歪みが整うので、重心が安定し、直立の姿勢が良くなります。
ところが、ふらつきが出たことから、骨格の歪みとは異なる要素も姿勢に影響していることがわかりました。
次の調整は、飲食に関係する内容でした。
メニエールの方によく出る反応が、首、腰、下肢にありました。
これまで「めまい」で悩んだことはないとのことですが、飲食の問題はメニエールと関係することが良くあり、腰部ヘルニアと関係することも珍しくありません。
体に飲食の問題がある反応が出ているので、とりあえず、これを調整しました。
治療後、さらに姿勢が良くなり、直立時のふらつきが消失しました。
ストレスによる気の流れの悪さを改善したら、残りは疲労の問題が残ります。
臀部の緊張に一番関連していると思われたので、腰部、臀部、太腿の筋肉の緊張がどのように変化するのかを確認しながら、治療を進めました。
なんとかすべての緊張が取れたので、初診の治療を終了し、経過を観察してもらいました。

初診時、神経痛が無かったので、その場での治療効果の確認はできていません。

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施術回数・頻度・期間

二回目の治療
発熱があるということで、治療日が延長となります。
そのため、二週間後の治療となりました。
この時の治療も初診時とほぼ同じ内容でした。

初診以降、痛みの出る部位が太腿からふくらはぎへと変化したそうです。
坂道を上がるのはかなり楽になったそうですが、やはり痛みが少し出るようです。
もうひとつ、気づいた点は、疲れると痛みが出やすくなる傾向です。

この時から気になったの

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施術後のケア

単なる坐骨神経痛と思われた症状でしたが、治療を重ねることで、コロナワクチンによる影響が関連していることがわかりました。
3回目の接種を行うまでは、仕事で疲れても坐骨神経痛のような痛みも、風邪のような発熱も、喘息のような咳も、激しい首の痛みも、出ることはなかったそうです。

ワクチン接種以降、体調不良となり、病院にて検査を繰り返していましたが、結局、原因不明ということで解決できませんでした。

坐骨神経痛として始めた治療でしたが、最終的には、コロナワクチン接種以降の体質改善を目的とした治療へと変化していきました。
初診時、姿勢の歪み、ストレスの関与、飲食の問題、疲労の蓄積と様々な病因要素がありましたが、治療の回数を重ねることで要素が減少し、最終的に疲労の問題だけが残るようになりました。

仕事に復帰後、疲労に関連して神経痛だ出ていることを実感されたことと、最終的に疲労の問題が治療の目的となったことが一致したことで、病気の本当の原因が判明し、治療の方向性が確実性を増しました。

ワクチン接種でなぜ疲れやすくなったのかはわかりませんが、接種以降に体調を崩しやすくなり、不定愁訴で悩むことになったことは明白です。
検査ではわからなった原因が、鍼灸治療で解明できたことと、体調が回復できて、仕事に復帰できるようになったことは喜ばしいことです。

もう少し治療を継続し、体調の安定に努める必要があります。

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