和鍼治療院の施術例

呼吸ができないほどの痛みが出た寝違え

2020-12-14

これまでの経過

腰部脊柱管狭窄症のため、両膝関節が変形し、慢性的に痛みで苦しんでおられます。
2年間の治療で、膝の可動制限が減少し、膝の屈曲と伸展がかなりスムーズになりました。
正座が全くできない状態でしたが、あと15度ぐらいでお尻が踵につくところまで改善しています。

そんなある日、首がものすごく痛み、夜間、一睡もできなかったということがありました。
最近、編み物に夢中になっておられるので、ご本人は肩こりげ原因と思い込んでいました。
肩こりがひどいときは、トンカチで肩を何度もたたくようで、それでも楽にならず、痛みで寝ることもできなかったと話してくれました。

編み物による肩こりぐらいで、背中まで痛みが出る寝違えが起こるのか、私は疑問でした。

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鍼灸院としての診断

ご本人は、編み物による肩こりが原因と痛みを堪えながら言いますが、そんなことはあり得ないと思いましたので、いろいろと問診で聞くことになりました。

しゃべるのもつらそうな状態でしたが、消化器の具合を聞くと、間食で乾燥ワカメを数枚食べたそうです。
同居しているお孫さんも食べたそうですが、乾燥ワカメを食べた感想を「消化しにくい」とコメントしたそうです。
当のご本人は、虫歯の治療中で、噛むことに支障が出ており、よく噛まずに固いワカメを食していた可能性があります。

実際にこの日の脈診では、消化器のところにはっきりと反応がありました。
普段はこのような反応が出ていないことからも、消化器のトラブルと関係があると判断しました。

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治療方針

脊柱管狭窄症の治療に加えて、消化器の治療を行う。

胃の調整と、肝臓への負担を緩和

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治療内容

消化器全般に反応が出ていたので、3か所、ツボを使用。

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施術回数・頻度・期間

初回後、首が回るようになりましたが、痛みが背中へと移動し、肩甲骨の内側に残りました。
翌日の2診目、背中の痛みがひどく、呼吸するのもつらいとのこと。
初診と同じ内容の治療を行うと、痛みが軽減し、呼吸が楽にできるようなりました。
痛みが右側に移動し、少し残りました。
さらに翌日の3診目、同じように施術
痛みがかなり軽減。
その日の昼から睡魔が襲い、夕方まで熟睡。夜間も熟睡したそうです。

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施術後のケア

歯の治療中ということもあり、消化の悪いものは控えることが重要です。

首や背中という部位に痛みが出たのですが、患部が原因とはかぎりません。
むやみに、金槌でたたくことは厳禁です。
揉んだり、指圧することも危険が伴います。

プロでも間違うことがあるので、十分に気をつけてください。

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