鍼灸リラクゼーションサロン ボンテの施術例

腰が痛い

2020-02-29

これまでの経過

昨日、自転車にのっていた途中、急に腰が痛くなった。痛みはいずれ収まるだろうと思っていたが、帰ってから痛みが増してきた。動けないほどの激痛ではないが、前屈みに物を取ろうとしたり、床の上で腰掛けると腰が痛くて、日常生活に支障をきたしている。今まで腰がここまで痛くなったことはなかったそうで、心配になり、来院された。

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鍼灸院としての診断

自転車を乗っている時に、特に何か衝撃があったり、体をひねったりはなかったようで、決定的な痛めた要因は判断できませんが、

①前屈みで痛みが誘発する
→腰部の筋肉が伸ばされる体位

②局在性のない痛み(ピンポイントではなく、広い範囲で痛みを感る)
→負荷をかけた後の筋肉痛のように、ごく小さな筋損傷でも、広範囲で痛みを感じるのが筋肉の痛み方の特徴

であることから、腰部の筋・筋膜のどこかしらに、損傷ができてしまったかと思います。
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腰部の動きや、触察を細かくしていくと、左右差があり、右側で障害が起きていることがわかりました。

また、腰部周囲左右それぞれの筋肉が緊張し、保護的に固まっている状態にあることもわかりました。

そしてアライメント(姿勢や骨格の位置)を細くみてみると、特徴的に右骨盤が前傾(前にかたむく)していました。
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このことから、
1.腰部の可動域制限、
2.筋緊張により、損傷部位(右)に負荷がかかりやすい
3.筋緊張により血行不良
が生じています。

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治療方針

1.腰部の可動域制限、
2.筋緊張により、損傷部位(右)に負荷がかかりやすい
3.筋緊張により血行不良

この3つに対して改善を行う。
主に、
右骨盤前傾(後傾制御)を起こしている筋肉を緩める。
腰部周囲の緊張した筋肉を緩める。
損傷部位付近の血流を促し、治癒能力を高める。
このことを目的に行う。

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治療内容

痛みはあるものの、ベットにうつ伏せになることができた。
この体勢が辛いことで起こる筋緊張は起きていないかを確認した。


左右それぞれの腰臀部に対して、最も硬結部位が強いところに鍼を入れた。左右の腰臀部で15本(右多め)ほど刺入。深さは脂肪層の厚さによりそれぞれ異なるが、浅層筋膜に達するところでとどめている。
鍼を入れたまま15分ほど置いた。

抜鍼後、ゆっくり仰向けに体勢を変えてもらった。
右骨盤前傾を強めている、上前腸骨付近にある筋群(中臀筋前部繊維、大腿筋膜張筋など、これらは骨盤の前方にあります)
へ鍼を刺入した。

先ほどと同様、10分ほど鍼を置き、抜鍼後、骨盤後傾の動作確認を行なったところ、可動域の改善がみられた。
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施術後、痛みの確認をしてみたところ、かなり楽になったとのこと。
おそらく、筋緊張が強かったので、それによる負荷が大きかったよう。

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施術後のケア

損傷部位の負荷が減ると痛みはましになります。
しかし、損傷部位そのものはすぐに治療後治るわけではありません。冷やしたりせず、血流を促進させ、治癒していく必要があります。


今までこのように腰が痛くなったことがなかったとのことで、最初心配されていました。動きによって痛みが誘発されるので、内臓関連痛などではないことをお伝えし、安心してもらいました。
今後の経過として、痛みが増してきたり、足の方に痛みやしびれが出現するようなら、一度病院での画像診断をするように促しています。


痛みの程度は人によって感じ方が違うので、難しいところですが、私がみてきた腰痛の中で、治療後かなり動けていたので、次回のお約束はせず、何かあったら連絡いただくようにお伝えしました。

後日メールをいただき、朝起きた時かなり楽になっていたそうです。
予後がよさそうでなによりです。

鍼治療は血流を促進させるので、何もしなくても自然治癒する期間を、早めることができます。

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