鍼灸治療室はりきゅうのすすめ 津山院の施術例

神経系

左肩周辺の痛みと凝り、自律神経失調による動悸、息苦しさ

2020.05.07

これまでの経過

当院初診の一年半前ごろから体調がすぐれず、疲れやすさや軽い不眠、動悸やめまいが起こるようになる。
左肩から腕、背中にかけての凝り感も出てきて、仕事の疲れも相まって体調全般がすぐれない。貧血などもあり運転中に過呼吸や頭痛に悩まされることもある。

続きを見る

鍼灸院としての診断

慢性的な疲労の積み重ねで自律神経失調の状態に陥ってしまっている。
鍼灸院へのきっかけは肩の痛みであるが、体調そのものを良くしたほうが肩の経過も良いと判断。回復には少し長くかかることが徐々に体調が回復することを説明。

続きを見る

治療方針

初診での東洋医学的な診断は右適応の肝虚脾虚の相剋調整。
痛みがある部位を走行する小腸の経絡にも鍼をすることとした。
肝の気を補うことで全身にのびやかに気が巡るようにすることと、
飲食物から気を生産する脾の働きを補うことで、
まずは虚してしまっている全身の働きの底上げを狙った。

続きを見る

治療内容

・一回目…
右の肝経、腎経を補い、さらに左の脾経も補う。
左の小腸経の邪の所見に対して、必要な気を補って後余計な邪を取り除く手法を行う。
動悸や過呼吸といった症状に対し、お腹のツボを用いて気を静める処置をして、最後に全身の気を巡らせる散らし鍼で一回目を終わる。

・二回目(一週間後)
前回から過呼吸は起こらなかったが、肩はまだ同じ感じ。
一回目とほぼ同様の施術。

・三回目(一週間後)
左肩の痛みかたと動かせる範囲が7割程度回復したとのこと。
今度は動悸やめまいなど自律神経症状と、
貧血から来る手足のしびれや頭痛が気になる。
右の肝虚証であるが、腎経を触らず、左は肺経を補うことに切り替えた。

以降おおよそ週に一回~2週に一回程度の感覚で4か月ほど治療を継続。
その都度の体の状態に合わせて使う経絡とツボを選び直していった。治療開始から3か月経過するころには当初のしんどさは無くなり、仕事の疲れ具合などで症状の波が高かったり低かったりを繰り返す状態に。
体調の上がり下がりを繰り返しながら、1か月ごとの振り返りではずいぶん調子が上向いてきた様子。
治療開始から半年以降は職場変更などもあり、治療間隔が開くようになっているが、以前のような自律神経症状の酷さは消えている。

続きを見る