はり・きゅう 仁信堂の施術例

足

アトピー性皮膚炎

2020.03.09

病院での診断

アトピー性皮膚炎

これまでの経過

幼少期よりアトピー性皮膚炎があり皮膚科でステロイド軟こうで対処療法をしていたが、高校生の時に特にひどくなり当時住んでいた近くの鍼灸院に通いしばらく症状は無くなる。
しかしここ最近になって夜も眠れなくなるぐらい痒みがひどく、皮膚も変色し鱗の様になり硬化が進んでいる。
入浴した後に特に痒みが酷くお湯に触れただけでも痒みが出てしまう。
毎日眠れないので疲れが溜まり、それによりなお一層日中痒みが止まらないという負のスパイラル。
趣味がマラソンなのでそれに影響が出てしまう事に心を痛めている。
ステロイドでは根本的な解決はできないと本人が思っていて、過去に鍼灸で良くなった経験もあるので来院。
家族では本人だけがアトピー持ち。

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鍼灸院としての診断

かなりひどい皮膚症状で本人も「掻いてはダメ」と意識していたということで、特に痒いところは爪を立てて押さえているらしくその痕がありました。
ベッドで横になって足や手を動かしても乾燥した皮膚からは粉がボロボロと剥がれていました。
肌には弾力が無くブヨブヨしている状態で色も深い紫色。
まぎれもなく慢性的なアトピー性皮膚炎の再発だろうと判断しました。

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治療方針

「意地でも薬物療法はやりたくない」との事なので、まずは眠れるぐらいにまで(夜中の痒み)抑える事を当面の目標にし、それから順次ステップアップで悩みをクリアーする事を掲げました。

施術は普段やっている基本の施術と途中から「ビワの葉のお灸」を織り交ぜて効果を上げ、どの食事・食材が良いとか身体に優しい油の使用を促したり生活面でのアドバイスを提案しました。

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治療内容

初回
特に痒いポイントは肘、膝の裏、お尻、足首(特に左)。
仰向けで脈を診て必要なツボに刺していき、身体の芯が冷え込んでいる体質だったので今回の症例に関しては刺したまま少し置いておきました。(10分ぐらい)
その後うつ伏せで反応のある場所に刺していき肩甲骨の間の背骨に一点だけお灸をしました。

2回目(1週間後)
お尻と足首は落ち着いているが肘と膝裏が辛いとの事。
前回の処方に加えおへその下のツボにもお灸を加える。

3回目(18日後)
身体の外側のライン(肋骨あたり)と膝裏の痒みが特に辛い。
ツボを変え少しきつめのツボを選穴。それと前回まで灸で使用したツボを使わず左腰にお灸をする。

4回目(1か月)
痒みは一旦落ち着くが皮膚の硬化で肘や膝が曲げずらい事が悩み。
眠れてはいるとの事。
これ以降初診の時の処方とビワの葉のお灸を併用して施術。

9回目(2か月半)
しばらく落ち着いていたがここにきて痒みが強くなる。
今回は首の方まで痒くなり久しぶりに眠れない日々が続いている。
皮膚の乾燥が特にひどい。

11回目(3か月後)
痒みはほとんど感じず、皮膚の色も正常な色に近づきつつある。
お風呂上りも大丈夫になったが、走って汗をかいた時だけ全身に痒みが出てくる。

12回目(3か月半後)
痒みのある場所は膝周りの一点だけで汗をかかない限りは痒くない。

16回目(7か月後)
膝が雨や水(汗含む)に触れた時に痒くなる。
痒くなる箇所は乾燥している部位。

18回目(8か月後)
2週間前から雨や汗でも痒くはならないとの事。
皮膚の状態はほぼ正常で肌の張りも出てきている。
マラソンをしても全く問題ないそう。

24回目(10か月後)
経過観察をしながらしばらく施術していたが全く痒くないそうなので一旦治癒とする。


 その後は月に1回ぐらい来院されるが、アトピーに関してではなく筋肉の疲れを取って欲しいという事で今でも来院。






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施術回数・頻度・期間

来院間隔は初期は10日に1回で後半は2~3週間に1回。
落ち着くまでに約10か月で計24回掛かったが、その間は症状が緩解したりひどくなったりを繰り替えしていた時期もあった。

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施術後のケア

過去にあった症状でしばらく無症状であったとしても、免疫力が知らないうちに落ちていると再発するみたいなので悩みや疲れは溜め込み過ぎない事。
「1回発症してしまうとこれだけの時間が掛かる場合があるので、1か月に1回ぐらいのペースで来てくれると安心です。」とお伝えしました。

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