清水はり灸療院の施術例

婦人科

乳癌手術後に起こった肩関節痛

2020.02.01

これまでの経過

 鍼灸施術のために当院に通われる1年前に乳癌の手術を受け、3ヶ月ほど放射線治療を継続しておられました。放射線治療が後了してからのことを考えて免疫強化のために東洋医学を希望し、当院を受診されました。
 肩関節痛は前からありましたが、手術後に強くなったようです。仰臥した時に肩を床につけられないと訴えていました。

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鍼灸院としての診断

 乳癌を発症した部位は、東洋医学の経絡流注では陽明胃経と陽明大腸経が司っており、胃腸から発生した邪熱が肩に波及して肩関節痛を起こしたと考えられます。脾・胃(表裏関係)や肝(脾とは相克関係)など、五臓のバランスを考慮して気血水の滞りを疎通してやれば免疫力強化も肩関節も改善できると考えました。

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治療方針

 上記のような理由で「脾」と「肝」をバランスさせるような証(東洋医学的な施術方針)を組み立てました。つまり脾虚肝実証と決定しました。

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治療内容

 上記の証(東洋医学的な施術方針)に従い、髪の毛のように細い微鍼により所定の経穴(ツボ)に補法(生気を補う)と瀉法(邪気を除く)を行いました。肩周辺にある気血の集まる部位に、微鍼で気血を流すような施術も行いました。

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施術回数・頻度・期間

 最初は3~4日に1回ほどのペースで施術すると肩関節の可動域は順調に改善していき、やがて7日に1度、2週間に1度、1ヶ月に1度と徐々に施術間隔を開けていきました。十分脈の状態が改善された時点で患者さんの同意を得て終了しました。

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施術後のケア

 気血の滞りの原因を遠ざけることが必要でしたので、冷たい飲食物を摂らないこととストレス避けることを心がけていただきました。

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