清水はり灸療院の施術例

腰

腰部の痛みと血尿(尿管結石)

2020.01.26

病院での診断

尿管結石

これまでの経過

 4つある副甲状腺のうちの1つが暴走し、尿中のカルシウムが増加して尿管結石の水腎症発作が起こるようになり、8年前には摘出手術もしましたが、石が残っていて時々血尿があるようでした。
 また、転倒して右腕を骨折し、その手術の時にプレートを入れられて手関節が動きにくくなったそうで、もともと当院に来られたのはこちらの理由でした。他には軽い逆流性食道炎もあるとのことでした。

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鍼灸院としての診断

 東洋医学では五臓のうちで筋肉を支配する臓器は「肝」なのですが、細い尿管に結石が詰まって水腎症が起こる症状に対する施術では、管を取り巻く筋肉を緩めることで石が膀胱の方へ落ちやすくしてやる必要があります。

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治療方針

 上記のような理由で「肝」に影響を与えるような証(東洋医学的な施術方針)を組み立てました。つまり肝虚脾実証と決定しました。

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治療内容

 上記の証(東洋医学的な施術方針)に従い、髪の毛のように細い微鍼にて所定の経穴(ツボ)に補法(生気を補う)と瀉法(邪気を除く)を行いました。また尿管結石の特効穴である腎の募穴(京門)に複数回お灸を据えました。さらに手首の症状に対しては首周辺の所見を緩める施術を中心に行いました。希望が有ったので美顔鍼も行いました。

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施術回数・頻度・期間

 初回の施術後から血尿は止まっており、手首の可動域も広くなったそうです。2診目の施術から5日目には石が排出されたようです。手首の動きも随分改善されたため手を使う仕事にも復帰されました。かなり遠方から通って来られる方なので施術頻度は2週間に1回ぐらいが限界でした。そして、症状が軽減されるに従い通院の困難さの方が上回ったためか、患者さんの希望を入れて5診目で施術を終了することになりました。

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施術後のケア

 来院できない間は自宅で京門穴に柔らかい熱刺激の灸を据えていただきました。また尿路結石では食事や運動のアドバイスが欠かせないため、この辺りのケアは東西両医学の観点から十分にさせていただきました。

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