たから鍼灸・整骨院の施術例

太ももの痛み

2020-07-14

病院での診断

病院でMRI検査をしたが問題なし

これまでの経過

約2ヶ月前から、右太ももに違和感が出始め、1週間前から痛みが強くなる。特に心当たりなく、原因は不明。
来院時は、手すりを持たないと階段が昇れないほど痛む。
※ 病院で腰と股関節のMRI検査をしたが問題なしとのこと。

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治療方針

※ 初診時に、腰から股関節、そして膝等の全身的な徒手検査では、特に矯正の適応となる所見が見当たらず。
※ 但し、右太ももの筋肉が少し細くなっているのが懸念される。従って、矯正の適応外と判断し、痛みに対して、対症療法的に、右股関節と右太ももの筋肉を緩める処置をとる。
※ 2回目の来院時は、痛みは変わらないが、階段の昇り降りと歩行が楽になる。
※ 3回目で太もものシビレを訴える。
※ 以降も、ピリピリする痛みが出現し、力が入りにくいといった、足の脱力感を訴える。
※ 痛みの原因に疑問がある為、ペインクリニックへ紹介。
また、太ももの筋肉が細ってきており、重篤な病変が関与している可能性も含めて、再度かかりつけの病院(整形外科)での相談を強くすすめる。
※ 筋肉の痩せについて、再度病院で相談したところ同院の神経内科の受診をすすめられ、急遽、検査入院することとなる。

■ 約1週間後、検査結果が判明し難治性特定疾患と確定した。

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治療内容

※ 施術のポイント
※ 所見から原因不明な点があった場合、速やかに専門医の見解を求めることが重要である。
本症例では、疼痛やシビレまた筋力低下による下肢の脱力感だけでなく、何より緩徐に下肢(内転筋群、殿筋群、ハムスト等)の筋萎縮が認められた為、何らかの進行性の末梢神経障害を疑うべきである。
※ 重篤な筋萎縮症をも視野に入れながら、約2週間の経過観察をしたが、精査が必要と判断した。

■ 病名は、「慢性炎症性脱髄性多発神経炎」(CIDP)との確定診断で、原因は現在もなお不明であるが、自己の末梢神経に対する免疫異常が原因ではないかとされている。また、その有病率は人口10万人あたり 0.3~0.5人といわれている。
※ 治療家として広い視野で患者さんを観察し、常に、自らの役割分担及び守備範囲の自覚が求められる症例である。

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