オリエントエクスプレスの施術例

緩和ケア鍼灸の一例

2025-03-21

病院での診断

がん性疼痛

これまでの経過

がん性疼痛とはがんによる痛みのことで、病状の進行とともに増大することが特徴で、緩和ケアにおいては痛みの緩和が最も重要とされています。
痛みは身体的苦痛だけでなく精神的苦痛も伴い、鎮痛剤による吐き気、食欲不振、便秘、不眠などの症状もあらわれます。

厚労省のeJIMでは鍼灸はがん性疼痛に薬物療法以上の効果は無いが、併用することで薬物療法単独より優れるのではないか。と明記されています。
また、がんに対して役立つ補完療法として鍼灸が挙げられています。

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鍼灸院としての診断

緩和ケアは前期、中期、後期、直前期と分けることができ、鍼灸はどの時期でも介入することができます。

前期から中期までは体力が比較的余裕があるため通常の鍼灸施術が可能です。
後期からは体力の低下や正気の虚損がみられるようになるため、侵害刺激の強い鍼は行わず、温灸や刺さない鍼(てい鍼)を使う施術となります
直前期はてい鍼で「寧心安神」と言う、精神を安定させる治療法を用います。

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治療方針

鍼灸でがんを治すことはできません。
あくまで痛み、吐き気、食欲不振、不眠、イライラ、不安感、ストレスなどを軽減、緩和させることが目的となります。

そのために医師やケアマネなど他職種と連携の上で鍼灸施術を計画し、すすめていきます。
病状が変われば症状も変わるため、その都度計画を見直しながら適切な方法で施術を行います。

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治療内容

①疼痛緩和
痛みに対しては低周波通電療法(パルス)が有効と考えられているのでゴム電極を使用した低周波通電をおこなったり、通電できない場合は置鍼で対応します。
手足のツボを使うため、袖や裾をめくって施術します。

②しびれ
末梢神経障害によるしびれには神経の走行ラインや脊椎際にパルス通電をおこなったり、手足のツボに置鍼をおこないます。
背中に施術しますが、体位変換が困難な場合は手足のツボを使用したり刺さない鍼(てい鍼)や手技で対応します。

③不安感
不眠や不安などメンタルの症状は、頭や手足のツボを使用し精神の鎮静をかけます(安神・治神)。

④吐き気
手足の胃腸の経絡やツボにパルスや置鍼をして、脾胃の動きを整える施術を行います。
冷えが強い場合はお腹や足三里などに温灸を行う場合もあります。

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施術回数・頻度・期間

当院では訪問鍼灸は毎週金曜のみとなるため、基本週1回となります。
症状によっては頻回な施術が必要となる場合もあるので、施術回数や訪問頻度を調整いたします。

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