2019/05/27
鍼灸院経営に必要な「LTV」というノウハウ

LTVという言葉をご存じでしょうか。
LTVとは、Life Time Value(ライフタイムバリュー)の略で、「顧客生涯価値」と訳されます。
意味としては、一人の患者さんが、貴院に初めて来院した時から最後までの期間内にどれだけの売上をもたらすのかを算出したものです。
例えば、こういうことです。
★患者Aさん:初診で1回だけ来院、施術費は5,000円だった
→LTVは「5,000円」
★患者Bさん:4か月間で、初診含めて計8回来院、施術費は単価5,000円
→LTVは「40,000円」
LTVは、患者Bさんのほうが大きいということです。
LTVという考え方が何のために必要かというと、「費用対効果」を考える際に、とても大切になります。
例えば、LTVが5,000円だとして新患さんに一人来院してもらうために、5,000円の広告費をかけていたら、いわゆる赤字です。(数字上はとんとんですが)
しかし、LTVが40,000円の患者さんだったら、広告費を5,000円かけたとしても、長期的な視点には(4か月間で見れば)、35,000円のお釣りが来ます。
ぜひ貴院のLTVを計算してみてください。
それを見てみると、色々と感じるものが出てくると思います。
◆LTVの計算方法(一例)
1) 過去半年間の全患者さんの1人売り上げを合計する(なお、半年間じゃなくてもいいですが短すぎると統計として信ぴょう性が下がります)
例:
Aさん 5,000円(1回来院)
Bさん 40,000円(4回来院)
Cさん 13,000円(3回来院)
Dさん 5,000円(1回来院)
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合計 534人 5,980,000円
2) のべ売上を合計人数で割る
例:
5,980,000÷534=12,406円
この例でいうと、12,406円がLTVです。
このLTVが上がってくると、当然院としての経営は良い状態になっているといえます。
LTVを上げるために、一番大切なのは「リピート」です。
特に、あるポータルサイトから、1人新患さんが来て、そのたびに成果報酬で2,000円がかかる、そしてその患者さんはほぼリピートしない、といったお話を聞きます。
「患者さんが来た分だけ払うわけだから、まぁマイナスではないよね」と考える先生もいらっしゃるかもしれませんが、これは注意が必要です。
いくら新患さんが来てもリピートしなければLTVは上がっていきません。患者さんが来る度に、ポータルサイトにお金を支払い続けるのは、正直もったいないと思います。
LTVを上げ、良い経営をしていくためにも、ぜひリピートを大切にしていきましょう。