鍼灸業界の最新動向
2018/9/1

3,000億円の鍼灸市場:鍼灸師の人数は?

鍼灸師やあんまマッサージ指圧師が活躍している鍼灸市場は、約3,000億円と言われています。

仮に医療費=西洋医学の需要とした場合、概算医療費から考えると、一般的な医師が活躍している市場は40兆円以上です。

また、2020年までにヘルスケアの市場は20兆円以上になると予想されているなかで、鍼灸市場は同じ医療業界でも、その規模は決して大きいとは言えません。

では、いったい鍼灸市場の規模や鍼灸院、鍼灸師の数はどうなっているのでしょうか。


3,000億円の鍼灸市場

少し古いデータとなりますが、2007年の調査によると、鍼灸あんまマッサージ指圧を事業の母体とした三療事業所件数は約5万件あるといわれています。

※三療とは、あんまマッサージ指圧、はり・きゅう・の3つのことをさします。

また、日本の鍼灸市場規模は、3,250億円と推定されています。この三療事業所5万件の中で、柔整併業事業所は約5千件であり、その市場規模は約750億円を占めています。

つまり、このデータから三療事業所約5万件のうち、10分の1を柔整併業事業所が占め、市場全体3,250億円の約20%を占めることがわかります。

このことからわかることは、鍼灸市場が鍼灸あんまマッサージ指圧、はり・きゅうのみでなく、柔道整復というものに支えられているということです。

柔道整復師については、鍼灸師と柔道整復師の国家資格:整体と整骨の違いとはのなかで解説しています。


鍼灸院、鍼灸師の数

前述の通り、いわゆる鍼灸院や鍼灸整骨院と呼ばれる三療事業所は、約5万件(2007年)あるといわれています。

平成28年の厚生労働省の発表によると、あんまマッサージおよび鍼灸を行う施術所は全国で37,780カ所といわれており、年々増加傾向にあります。

では、世の中に鍼灸師はどのくらい存在するのでしょうか。

平成28年末で、と厚生労働省は発表しています。

あんまマッサージ指圧師 116,280人

はり師 116,007人

きゅう師 114,048人

柔道整復師 68,120人

ここ10年で考えると、はり師・きゅう師の資格者はともに、30,000人ほど増加しました。

ちなみに、平成28年度の届け出のある医師の数は、約320,000人のようです。


インターネットではどのくらい検索されている?

さて10年ほど前に比べると、鍼灸というワード自体が、かなりの市民権を得ているような感じがします。

鍼灸に関してどのような検索が多いのかを調べてみた結果、最近は特に「美容 鍼」や「美顔 鍼」といったワードがよく検索されている傾向にあり、また「腰痛 鍼」といったワードもよく見られます。

特に、2015年頃から「美容 鍼」といったワードが検索数を伸ばし、2018年1月には「鍼灸」、「美容 鍼」ともにピークに達しています。

これは、最近テレビや雑誌で、「鍼灸」「美容 鍼」が取り上げられるようになったことも、関係しているようです。


受診率5%は本当か

ここまで来ると実際に鍼灸の受療率がどのくらいか気になってきませんか?

明治国際医療大学が実施した2009年の調査によると、1年間に何らかの形式で鍼灸療法(鍼またはお灸のどちらか一方、および、あんまマッサージ指圧)を受けた方は、9.5%という結果となりました。一方で、鍼灸を単独で受けた方は、3.6%にとどまり、鍼灸単独での受療率がいかに低いかわかるでしょう。

しかしながら、受療率について、ある地域を例に考えると、興味深いことがわかりました。

一般的に、5%程度と言われている日本の鍼灸受療率ですが、ある地域で考えると、その受療率は約8%という可能性があるのです。

それは、人口約4万人の菰野町(三重県)という地域です。

町内のある鍼灸院では、患者さんのカルテが3,000枚を超えているそうです。その人口とカルテの枚数の関係から、この地域に限った話では、受療率は7.5%ほどでしょうか。もちろん、隣町や県外から来院する方もいるため、あくまで仮説です。

しかし、他にもこのような鍼灸院があるような感じがします。私たちが知らないだけで、地域によっては受療率5%の壁を越えている可能性がありそうです。


鍼灸をたくさんの人に受けてもらおう

この鍼灸受診率が5%と言われる時代に、鍼灸が予防医学として認められています。これは、東洋医学的にいうと「治未病」といい、発症する前の病気の予防に効果的であるということです。

すでに日本の問題のひとつに、少子高齢化がありますが、これから直面する超高齢化社会を考えたとき、鍼灸への期待が寄せられています。

国民医療費が約40兆円を超え、年々増え続けている状況にストップをかけたい国は、予防医学という意味で様々な施策をおこなうはずです。また、保険対象疾患が見直されるときが来るかもしれません。この国民医療費の問題は、鍼灸の歴史とその未来:40兆円を超える医療費の問題で詳しく解説しています。


あなたは長生きをすれば、幸せですか?

QOL (クオリティ・オブ・ライフ)という言葉がありますが、人生の質を健康の観点から、国民一人ひとりに考えて欲しいのです。

鍼灸はそれぞれの人間が持っている、本来の力「自然治癒力」を高めることができます。自分の体内を薬づけにしたり、どこかを切ったり縫ったりすることはありません。また、大きな副作用もありません。もちろん東洋医学「鍼灸」にできないこともありますが、今後、予防医学という観点から、その鍼灸の需要は高まる傾向にあるでしょう。