鍼灸師の独立・開業
2018/4/1

鍼灸師として開業:個人事業主か株式会社か

鍼灸師は開業できるのか?皆さんのなかには、将来、独立開業を視野にいる方もいるかもしれません。

鍼灸師として開業することを視野に入れている場合は、基本的なことだけでも抑えておきましょう。

ここでは、開業について簡単に説明します。


開業権が認められている鍼灸師


鍼灸師は医療系の国家資格のなかで、開業権が認められている数少ない資格です。

開業権が認められている医療系の国家資格は、以下の7つです。


・医師

・歯科医師

・薬剤師

・鍼灸師(はり師・きゅう師)

・柔道整復師

・あん摩マッサージ指圧師

・助産師

医療系資格のなかには、他にも看護師や歯科衛生士など多くの資格がありますが、これらは開業権が認められていないので、独立開業することはできません。

鍼灸師、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師の開業は、医師や歯科医師とは異なっており、看護師や歯科衛生士の協力がなくても、一人で独立開業ができるうえに、診療や治療をすることが可能です。

ただし、医師や歯科医師とは大きく違うことは、疾病の状態に病名をつけることができず、また、薬の処方箋を出す権利もないということです。

この業界では、将来、独立開業を視野に入れ、学校へ進学してくる学生も多くいることは事実です。


個人事業主か株式会社か


率直に言うと、はじめは個人事業主として独立し、ひとりで開業することが多いようです。

その後、開業した治療院や生活が軌道に乗ってくると、法人化するか、しないかという選択に迫られると思います。

売上げの確保がある程度できるようになり、店舗の展開を考える規模になってから、法人化するということが一般的でしょう。

また、ひとりで開業する場合は、自宅の一室を改装したり、マンションの一室を借りてプライベートサロンにしたりして、開業する場合が多いようです。


入学前、在学中から考えたい鍼灸師としてのビジョン


せっかく、開業権のある医療系国家資格の取得を目指すので、少しでも独立開業を視野に入れている人は、鍼灸学校へ入学前、そして、在学中からできることを考えてみるといいでしょう。むしろ、入学前や在学中にしかできないこともたくさんあり、そういった経験を時間の許す限りすることをおすすめします。


入学前、在学中にできることはたくさんありますが、とにかく情報収集のアンテナをはることにつきます。

学生という限られた時間を、目いっぱい有意義に使うことが理想的です。


在学中は仕事をしながら学校に通う人も多くいるため、気持ちや生活サイクルは半学生、半社会人といった感じでしょうか。

だからこそ、できることもたくさんあります。


【勉強すること】


これは、学校のテスト勉強や国家試験対策の勉強はもちろん必要ですが、将来、鍼灸師として開業した場合に、必要な経営の知識や教育(マネジメント)に関してのノウハウ、マーケティングの勉強も必要です。このあたりは、鍼灸師は技術だけでなく、経営や集客などの知識経験のなかで、詳しく解説しています。


鍼灸師とはいえ、開業すると自身の経営力が試されることでしょう。ときにマーケティングや市場調査も必要でしょう。世の中の流れを把握する力や判断力など冷静な目が必要です。鍼灸師としての技術力と経営者としての判断力は、磨き続ける必要があるでしょう。


【学生どうしのつながりを持つこと】


在学中は、学生どうしつながりをもつことが重要です。入学前は、一緒に合同説明会へ参加した同じ志の人たちとつながりを持ちましょう。

クラスの人たちとうまくリレーションを築けない場合、卒業後にたくさん接する患者さんとも打ち解けることができるでしょうか。


学校での人との関わりは、将来あなたが治療家として世に出たときも非常に役に立つものでしょう。

鍼灸院を開業した場合でも、どこかに勤めた場合でも、この鍼灸業界は、鍼灸師と鍼灸師、患者と鍼灸師というような、人と人とのつながりが強いように感じます。


将来、患者さんを大切にしたい場合は、まずは仲間を大切にしましょう。


在学中にしかできないこと


実際に、鍼灸学校へ入学すると、実技セミナーや勉強会、学会などがたくさんあると感じるはずです。このようなセミナーや講演会の案内は、各学校の掲示板に掲示されたり、先生から授業中に口頭で知らせされたりします。


ここで学生が驚くこととして、このようなセミナーや勉強会は、学生向けでなく、すでに鍼灸師として活躍する現役の先生に向けたものが多いということです。現役の先生に向けた勉強会に、学生も参加できるということは、学生にとって非常にありがたいものです。


そして、一度そういった場に参加すれば、学生も現役の先生も垣根はなく、同じ鍼灸師として扱われます。普段、学校では教えてくれないことも学ぶことができ、モチベーションが上がると同時に、治療家になるという責任感や使命感が芽生えるでしょう。


勉強会への参加費が学生料金で、現役鍼灸師とコミュニケーションが取れ、たくさん勉強できる。これだけお得なこと他にありますでしょうか?


これには本当に驚きます。あるセミナーでは、一般の先生方の講習費用が15,000円に対して、現役学生は学生証の提示だけで1,000円となっておりました。

セミナーや学会は、学生に対して優遇価格を提示していることが多いので、学生は在学中からこういった場へ参加しないと、少しもったいないように思います。


また、セミナーや学会の後には、参加者の懇親会がひらかれることが多いようです。ここは、『学生です』と胸を張って参加しましょう。


きっと現役の鍼灸師から『勉強熱心だね』とお褒めのことばをいただけます。そして、普段の学生生活では聞けないような、実際の現場で起きているリアルを伺うことができるでしょう。


そして、懇親会の場では、鍼灸院や鍼灸整骨院をグループで運営するような企業の代表や取締役にも会うことができます。

在学中に業界を代表する一流に触れる機会はとても有意義なものになるでしょう。


ある現役の先生から伺ったお話ですが、彼は「学生の時にもっとたくさんのセミナーに顔を出していたらよかったと思っています。鍼灸師として、臨床の場に出てから勉強したいと思うことが山ほどあるのに、講習費用が高すぎて参加に限界があります。」と話していました。


ぜひ、これから鍼灸の学校へ通いたいなと思っている方も参考にしてみてください。