はなさか鍼灸院

　院長の谷口篤(たにぐち・あつし)は、23才の春に鍼灸専門学校に入学しました。動機は自分の膝の怪我を回復させたかったからです。高校の柔道部の稽古で負傷してから、リハビリがうまくいかず、解消法を探していました。その頃にアイスマン発見のニュースに出会いました。アイスマンとはイタリアアルプスの氷河で1991年に発掘された男性のミイラの事です。そのアイスマンの死亡推定年代は約5300年前で、体の表面には鍼灸のツボとほぼ一致する痕跡が刻まれていたのです。私は鍼灸の発想や技法が、時代や地域の枠を越えた人類共通の知恵であると直感し、鍼灸師になろうと決意しました。鍼灸専門学校の2年目には膝の手術を受けて、自らのリハビリを行ないました。さらに鍼灸師の国家資格を取得後、病院のリハビリテーション科に入職して、膝の手術を受けた直後の患者さん達のリハビリを担当する事ができました。2000年の春からは視力にハンデのある鍼灸師が多く在籍する東洋はり医学会に所属して、伝統的な鍼灸術を伝授して頂く機会に恵まれて、以来20年間通い続けています。伝統的な鍼灸術とは、患者さんの先天的な体質に合わせて、体力と回復力を増強させるツボに鍼灸でアプローチしてから、その時患者さんが訴えている症状の部位へ進むスタイルです。主に患者さんの両手首の拍動とお腹に現れる反射と手足のツボの感触のそれぞれの変化を確認しながら手法を選択しています。　ご来院された患者さんには、その時に施術して欲しい症状や部位と直接関係が無さそうな情報もインタビューして、その後のリハビリや体質改善に貢献したいと考えております。