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不妊 -中医学の見方と鍼灸治療-

投稿日:2017/05/12

中医学における不妊症とは

 

中医学では不妊症のことを「不孕(ふよう)」や「絶嗣(ぜつし)」と呼んでいます。

中医臨床では相対的不妊を不妊症の主要対象と捉えています。本コラムでは女性の相対的不妊について解説いたします。

 

1 不妊の分類

 

1) 原発性・続発性

 

(1) 原発性不妊症(全不産)

 

出産可能な年齢の女性であり、夫と2年以上の同居・正常な性生活を営んでおり、夫の生殖機能は正常、避妊も行っていないが妊娠に至らないもの。

 

(2) 続発性不妊症(断続)

 

妊娠・出産経験がある。

避妊は行っていないが、2年以上妊娠に至らないもの。

 

2) 絶対的不妊・相対的不妊

 

(1) 絶対的不妊

 

夫婦の一方に、生殖器官の先天的あるいは後天的な解剖生理的是正不能な問題が存在し、妊娠が出来ない状態。

 

(2) 相対的不妊

 

夫婦の一方に、妊娠を妨げるなんらかの要素がある。妊娠を妨げる要素を是正すれば妊娠できる状態。

 

 

不妊症の代表証型と中医鍼灸治療

 

コラム『妊娠のしくみ -中医学の見方-』の「妊娠の機序」を踏まえると、「腎気不足、気血虧虚、衝任失調、胞脈不通」などが不妊症の主要病機と考えることができます。

 

鍼灸治療の基本配穴(ツボの組合せ)

 

関元(かんげん)

 

 任脈・衝脈(妊娠とその維持に大きな関わりを持つ奇経)を調和させる働きがあります。

 

帰来(きらい)

 

 不妊症治療の経験穴・常用穴です。胞絡(任脈から子宮につながる経絡)の流れを良くします。

 

子宮(しきゅう)

 

 不妊症治療の経験穴・常用穴です。不妊症治療の経験穴・常用穴です。胞絡(任脈から子宮につながる経絡)の流れを良くします。

 

三陰交(さんいんこう)

 

 婦人科疾患治療全般の常用穴。妊娠とその維持に関わりが深いとされる肝・脾・腎三臓を調整する働きを持ちます。

 

次髎(じりょう)

 

 婦人科疾患治療の経験穴・常用穴。

 

 

代表証型

 

「腎気虚弱」,「腎陽不足」,「腎陰虧虚」,「肝気鬱結」,「痰湿内阻」,「瘀滞胞宮」などが不妊症の主要病機を招く代表証型と考えられます。

 

1) 腎気虚弱(じんききょじゃく)

 

(1) 症状

 

不妊。月経不調や3ヶ月以上の月経停止、月経量は多いあるいは少ない、経血色が薄い、精神疲労・倦怠感、めまいや耳鳴り、腰膝のだるさ、尿量は多く色は透明などの症状を呈する。舌淡、脈沈弱。

 

(2) 治法

 

補益腎気,調補衝任

 

(3) 処方例

 

基本配穴 + 腎兪,太渓,足三里など

 

 

2) 腎陽不足(じんようぶそく)

 

(1) 症状

 

不妊。月経の遅れ、月経量は少なく経血色が暗い、あるいは3ヶ月以上の月経停止、性欲の低下、下腹部・手足の冷え、帯下の量が多く質は水様で薄い、めまいや耳鳴り、腰膝のだるさ、腰が冷えて痛む、尿量は多くて透明、顔色は暗くくすんでいるなどの症状を呈する。舌淡、脈沈遅。

 

(2) 治法

 

温補腎陽、調補衝任

 

(3) 処方例

 

基本配穴 + 命門,神闕,足三里など

 

 

3) 腎陰虧虚(じんいんききょ)

 

(1) 症状

 

不妊。月経の短縮、月経期間の延長、ポタポタ出血が終わらない、経血量は少ない、経血色は鮮紅、痩せ型、腰膝のだるさ、めまいや耳鳴り、掌が火照る、不安感、不眠、夢をよく見るなどの症状を呈する。舌質偏紅、苔少、脈細または細数。

 

(2) 治法

 

滋補腎陰,調補衝任

 

(3) 処方例

 

基本配穴 + 太渓,復溜,足三里など

 

 

4) 肝気鬱結(かんきうっけつ)

 

(1) 症状

 

不妊。月経周期は定まらない、経血量も不定、経血色は暗く血塊が混じる、月経前に下腹部が張り痛む・イライラして怒りっぽくなる、乳房や脇が張り痛む、精神抑鬱感、ため息が多くなるなどの症状を呈する。舌質暗紅、舌辺有瘀斑、脈弦または弦渋。

 

(2) 治法

 

疏肝解鬱,理血調経

 

(3) 処方例

 

基本配穴+太衝,期門,膈兪など

 

 

5) 痰湿内阻(たんしつないそ)

 

(1) 症状

 

不妊。月経の遅れ、あるいは3ヶ月以上の月経停止、体形は太り気味が多い、帯下の量が多く色は白、帯下の質は濃いが無臭、顔がむくむ、動悸、めまい、胸のつかえなどの症状を呈する。舌淡胖、苔白膩、脈滑。

 

(2) 治法

 

化痰袪湿,行滞調経

 

(3) 処方例

 

基本配穴 + 陰陵泉,豊隆,足三里など

 

 

6) 瘀滞胞宮(うったいほうきゅう)

 

(1) 症状

 

不妊。月経の遅れ、経血量は少ない、経血色は紫黒で血塊が混じる、月経時の腹痛などの症状を呈する。舌質暗紫または舌辺部の瘀点、脈弦渋。

 

(2) 治法

 

活血化瘀,温通調経

 

(3) 処方例

 

基本配穴 + 血海,膈兪など

 

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