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一覧に戻る「しびれ(痺れ)に鍼灸治療は効きますか?」
投稿日:2017/06/19
鍼灸師にとっては当たり前のことですが、
患者さんには意外と認知されていない効果に「しびれ(痺れ)」があると思います。
電話口で『肩こりや腰痛の他に痺れもあるのですが、効果はありますか?』
と、よく聞かれます。
「もしかして鍼灸院では対応していないかも?」と思われてるふしがあります。
皆さんが訴える痺れには、
「ピリピリと電気が走る感じ」とか、
「正座したあとに起こるあの感じ」などがあり
痛みとは違う何かしらの違和感と認識しています。
しびれは全身のどの場所にも起こりうるモノですが、
上肢(腕・指・肩)、下枝(脚・足・趾)に対する訴えが多いと思います。
しびれの原因として、
解剖学的には神経の症状と考えられています。
しかし、神経が単体で異常を起こしているというよりは、筋肉や血管(血流)などの総合的に生じているものと考えた方が治療効果は出しやすいでしょう。
また、
上肢のしびれであるならば、頸椎(首の骨)や胸郭出口部(鎖骨の上)
下枝のしびれであるならば、腰椎・仙骨部(腰の骨)や鼡径部(Vライン)
などの部位の異常も考慮します。
これらは指先や足先で起きているしびれ症状であっても、原因を考えた治療方針と言えます。
症状名を挙げると、
頚肩腕症候群、頚椎症、胸郭出口症候群、手根管症候群、肘部管症候群
坐骨神経痛、大腿神経痛、梨状筋症候群
など多数あります。いずれも末梢神経の疾患であり、脳や脊髄の問題とは異なります。
今回はしびれに対してコラムを書きましたが、「しびれ」という言葉を「痛み」に変えてもほぼ問題はありません。
以上の症状は現代医学的に治療方針が確立されており、科学的根拠も比較的多いものとなります。基礎医学を学んできた鍼灸師にとっては、病態を十分に理解しやすく治療効果も出しやすくなっています。腕や足のしびれでお悩み方は是非、近くの鍼灸師さんに相談してみてください。
お読み頂きありがとうございました。