下車坂治療院の施術例

右腰下肢痛(腰部椎間板ヘルニア)で日常生活に困る

2020-08-18

病院での診断

腰部椎間板ヘルニア(高位は下部腰椎と伝えられている)

これまでの経過

初診日:201X年1月

昨年9月頃、きっかけなく発症した。
整形外科で腰部椎間板ヘルニア(下部腰椎レベル)の診断を受けていて、1年くらい保存療法を行い改善がなければ、手術を検討すると言われている。保存療法の内容は、ボルタレン錠の服用、電気療法とマッサージ。鍼治療も当院初診までに5回ほど受けた。
入浴で軽減する。
体は細く、猫背(特に腰部が後弯)、背が高くこれからまだまだ大きくなりそう。
既往症、合併症はない。
高校1年で体育の授業は、ほとんど欠席している。

右腰痛が強い。
右下腿後面・外側、足背にしびれがある。
右下腿内側に感覚鈍麻あり。
腰痛と下肢症状は関連性がある。
安静時の症状は軽く、活動時の症状が強い。
靴下を履くときに、ピリッと痛む。
まっすぐに立つことができない。
ボルタレンを飲むと痛みは和らぐが、学校が休みの日や、用事がない日には、服用しない。
うつ伏せはできない。
横向きで眠っている。

腰椎が後弯していて、座位の姿勢がよくない。
歩容は腰を引いている感じ。
直立できず、腰が引けている。

体幹前屈:指先と床までの距離が20cm。この際に右下腿後面・外側にしびれと張りが増悪する。
体幹後屈:腰の痛みでほとんど不可。
体幹左右回旋・側屈:問題なし
右足関節の背屈がやりずらい
右SLRテスト45°で下肢症状再現
右膝伸展テスト陽性(体がのけ反る)
第4腰椎、第5腰椎棘突起それぞれ右直側に圧痛
膝蓋腱反射・アキレス腱反射 ともに正常
発赤・腫脹・熱感はない

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鍼灸院としての診断

病院での診断の通り、腰部椎間板ヘルニアと推測される。
第4腰神経根、第5腰神経根の障害が疑われる。

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治療方針

整形外科の受診に加え、はり治療を行う。
日常を不便なくおくれることを目標とする。
週2回で1カ月はり治療を行い、症状の軽減がなければ、治療方法を再考する。

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治療内容

初診日
左側臥位
 右 L4/L5椎間関節部、梨状筋、脛骨神経付近、総腓骨神経付近
   それぞれ1ヘルツ10分の低周波鍼通電
   脊柱起立筋(L5レベル)に置鍼10分
 右腰下肢へ軽い指圧5分

第3診
 体幹前屈の可動域が広がった。

第7診(初診から1か月経過)
 まだ腰が痛いが、程度は軽くなってきている。
 下肢のしびれは、歩行時にたまに感じる。
 歩容が改善してきている。
 左側臥位
  右 脊柱起立筋(L4,5レベル)
    総腓骨神経付近、脛骨神経付近
    それぞれ 低周波鍼通電 1ヘルツ15分
  腰部赤外線温熱 15分
  右腰下肢 指圧 10分

第9診
 信号が変わりそうだったので、少し走ったら、思いのほか痛みなく走ることができた。

第12診(初診から2か月)
 歩行時の痛みはほとんどなくなった。
 日常生活は普通にこなしている。
 重いものを持つのは怖さがある。
 以降、治療間隔を週2回から週1回にする。

第21診(初診から4か月)
 30分以上歩くと痛くなることがあるが、ほとんど問題なし。
 ボーリングができた。
 この日で、定期的な治療は終了。

第22診(初診から7カ月)
 予防目的で久しぶりの来院。
 症状は出ていない。
 ランニングをしている。
 


    
 
 
   

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施術回数・頻度・期間

初診日から2か月は週2回の施術。
その後2か月は週1回の施術。

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施術後のケア

症状が消失したため、生活の制限はなし。
軽い腹筋運動(ドローイン)を指導。

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