下車坂治療院の施術例

右腰下肢痛と力の入りにくさ

2020-08-03

病院での診断

腰椎椎間に狭いところがある

これまでの経過

・当院受診の1年半くらい前
 腰痛発症。整形外科を受診し、第1腰椎と第2腰椎、第5腰椎と仙椎それぞれの椎間が狭いと指摘された。薬は飲まず、2~3か月で治まった。
・当院受診の2か月前
 腰痛再発。右下肢痛も感じるようになった。スポーツジムで運動をしていたことが原因と思っている。
・当院受診の1カ月前
 整形外科を再受診。以前にかかった時と同じ診断を受けた。痛み止め等の薬を処方されたが、飲んでいない。
・当院受診の3日前
 右下肢症状増悪。痛みと力の入りにくさがある。立位の保持がつらい。
※合併症:潰瘍性大腸炎、掌蹠膿疱症

・初診時の様子
 過去に経験したことがないくらいの強い症状。痛みのせいか、力が入りにくい。立位保持がつらい。長時間座位もつらい。自転車では右鼠径部が少し痛い。しびれがあるのは、右下腿前面外側。
 体幹後屈(体を反らせる)で右腰痛と下肢しびれ再現。
 深部反射正常。感覚鈍麻なし。下肢筋力正常。

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鍼灸院としての診断

整形外科で腰椎の不整を指摘されていること、理学検査での陽性所見から、第5腰神経根障害由来の坐骨神経痛と推測される。

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治療方針

痛みとしびれの軽減を目的に鍼治療を行う。
整形外科で処方されている薬は医師の指導通り服用することをすすめた。
痛みの出る運動は避けるように伝えた。

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治療内容

初診:左側臥位で右殿部から坐骨神経付近・L5/S1椎間関節部への低周波鍼通電1ヘルツ10分、右総腓骨神経・長腓骨筋へ置鍼10分。
運動療法は行わず、出来るだけ痛みの出る動作を避けるよう指導。

第2診(初診から2日後):前回施術後は改善したと思ったが、その翌日に右殿部痛が強くなった。今日は殿部痛は軽減したが、下肢の力の入りにくさと下腿の異常感覚、感覚鈍麻がある。
下腿内側の感覚鈍麻が強い。深部反射正常。つま先立ち可。かかと立ちは右がやりずらい。右足指、足関節背屈の筋力が健側に比べると弱い。L4,L5領域の感覚鈍麻がある。
 左側臥位で右総腓骨神経付近、梨状筋、L4/L5椎間関節部、L5/S1椎間関節部それぞれ低周波鍼通電1ヘルツ15分
 症状が増悪しているので、整形外科の受診をすすめた。
第3診(5日目):整形外科を受診したが、後日MRI検査を受けることになり、鎮痛剤、消炎鎮痛剤、筋肉の緊張を緩和する薬が出た。
指示通り服用している。前回受診時よりは症状が改善している。
 左側臥位で右殿部坐骨神経付近、総腓骨神経付近、脊柱起立筋(L4レベル)、長腓骨筋へ1ヘルツ15分の低周波鍼通電を行った。
 施術後の軽快あり。
第4診(9日目):痛み、力の入りにくさともに改善傾向。MRI検査の結果、第4,5腰椎のすべり症と診断を受けた。
 左側臥位 右坐骨神経付近、梨状筋、総腓骨神経付近、長腓骨筋へ低周波鍼通電、L4/L5椎間関節部へ置鍼15分
第5診(17日目):ヨガ・ピラティス・太極拳を再開した。体を反らすことは避けている。体幹の前屈でも足のしびれが出る。下肢の筋力は改善しているが、まだ充分ではない。
 左側臥位 右脊柱起立筋(L4レベル)、梨状筋、長腓骨筋、総腓骨神経付近へ低周波鍼通電15分、指圧10分
第6診(23日目):口内炎がひどかったので、前回診療翌日から薬をやめた。それでも症状は改善傾向にある。体幹動作での下肢症状増悪はなくなった。
 左側臥位 右坐骨神経付近、脊柱起立筋(L5レベル)へ低周波鍼通電15分 長腓骨筋、梨状筋へ置鍼15分
第7診(31日目):力が入りやすくなった。昨日(30日目)、1.3Kmを15分かけて歩いたが、問題はなかった。
 左側臥位 右梨状筋、大殿筋、総腓骨神経付近、長腓骨筋へ低周波鍼通電15分
調子が良いので、この日で治療終了。

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施術回数・頻度・期間

一か月間で7回の鍼治療を行った。

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施術後のケア

「症状の再発があれば、連絡してください。」と伝えた。
日常生活の制限はなし。

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