下車坂治療院の施術例

右肩が痛くて右腕を動かしにくい

2020-07-15

病院での診断

病院にはかかっていない

これまでの経過

ここ10年くらい鍼マッサージは定期的に受けている。
頚肩コリ・腰痛の合併あり。これらの症状に対して治療している時期に右肩の痛みを発症した。
右肩の痛みは今回が初めて。
右利き。仕事で右手を挙げることが多い。

当初、右肩の疲れがあった。仕事で右腕を挙上することが多いせいだと思っていた。このころは右肩前面に圧痛があったが、三角筋の痛みととらえていた。

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鍼灸院としての診断

右肩の疲労を訴えた時には、筋肉の疲れととらえていたが、次第に痛みが増し、可動域が減少したため、肩関節周囲炎と考え腱板を構成する筋肉を主な治療対象とした。

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治療方針

いわゆる五十肩か腱板炎と考え腱板を構成する筋肉を主な治療対象とした。
痛みの強い時期には、疼痛軽減を期待した治療を、拘縮期には疼痛軽減に加え、可動域改善を期待した治療を施す。
鍼治療に加え、あん摩マッサージ治療も施す。
回復期には、リハビリとして可動域訓練も加える。

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治療内容

発症から4週目くらいに痛みのピーク、28週目あたりから可動域の改善が見られた。その後、41週目では、結帯動作の可動域制限が残るものの、ほぼ完治。
この経過を見ると結果的にいわゆる五十肩と思われる。

詳細は以下の通り。
1週間後:右肩前面に加えて右肩外側にも痛みを感じるようになった。洗髪など結髪動作で痛みがある。
普段から施している鍼マッサージに加え三角筋中部繊維への鍼通電1Hz15分を追加した。

2週間後:服の着脱で痛みを感じた。夜間痛はなく、右側臥位もできる。電車の吊革には捕まることができる。
右肩の前方挙上・外転で痛みがあり、可動域も少し狭くなった。結帯動作は健側に比べ20cm狭い。結髪動作は5cm狭い。
治療は右小円筋、棘下筋、棘上筋、上腕骨大結節部、三角筋前部繊維の鍼通電を加えた。セルフケアとして肩甲下筋のマッサージを指導。

5週目:痛みのピークは越えた感じがするが、可動域はさらに狭くなった。

8週目:さらに結帯動作の可動域が減少。健側と比べて25cm狭い。痛みの程度は変わらず。

11週目:痛みの質が変わってきた。今までの鋭い痛みから、鈍い痛みに変化。

13週目:右肩の痛みの影響か、頚コリが増悪。右肩の痛みが増しているので右上腕骨大結節部への鍼通電を1Hzから100Hzに変更した。

20週目:右肩痛の程度が軽減。右上腕骨大結節部への通電を置鍼に変更。

28週目:右肩の痛みの軽減に加え、結帯動作の可動域が少し拡がった。生活の質が向上している。

29~40週目:症状の増減を繰り返しながらも、相対的には改善傾向。

41週目:ほどんと右肩は気にならなくなった。右肩痛に対する鍼治療は終了。

その後も右肩にストレスがかかりすぎると痛くなることがあったが、生活に支障はない。

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施術回数・頻度・期間

治療期間は41週間。
治療回数は37回。

いわゆる五十肩の場合、治療期間が長くなるため、途中で脱落してしまうことが多いが、今回は症状の発症時から最後まで、治療を行うことができた。いわゆる五十肩では発症から2年ほど経過しても痛みや可動域制限がみられることが多いが、今回、10か月程で、ここまで改善したのは発症時から治療できたことが大きな要因だと考える。

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施術後のケア

疼痛の強い時期は、痛みの出る動作をできるだけ避けること。
痛みが軽くなった時期からは、軽い可動域訓練を行ってもらった。

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