伝統鍼灸 渓風院の施術例

右腰部〜下肢後面にかけて電撃痛
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背中
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腰
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足
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女性
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70代以上
2025-06-08
病院での診断
坐骨神経痛
これまでの経過
80歳
9月18日(初診日2週間前)の朝に、右臀部に違和感程度の痛みを感じたため、普段通っているデイサービスを休む。
その日の深夜、寝ているときに右腰部から右足先にかけて、電気が走るような激痛が出現。
翌日、整形外科を受診し、「腰椎3〜4番目で神経が当たっている」と言われる。
整形外科では、腰の牽引をしてもらい、少し楽になるが、その日の夜には元の症状に戻る。
9/19〜9/25
数カ所の病院に行くが、すべて「神経があたっている」と言われる。
9/26
ブロック注射
直後は楽になったが、病院から帰るころには痛みがもとに戻っていた。
現在
症状は変わらず、ふとした瞬間に電撃痛が頻繁に来る。
夜間痛もでているため、途中で起きることもしばしば。
9月18日(初診日2週間前)の朝に、右臀部に違和感程度の痛みを感じたため、普段通っているデイサービスを休む。
その日の深夜、寝ているときに右腰部から右足先にかけて、電気が走るような激痛が出現。
翌日、整形外科を受診し、「腰椎3〜4番目で神経が当たっている」と言われる。
整形外科では、腰の牽引をしてもらい、少し楽になるが、その日の夜には元の症状に戻る。
9/19〜9/25
数カ所の病院に行くが、すべて「神経があたっている」と言われる。
9/26
ブロック注射
直後は楽になったが、病院から帰るころには痛みがもとに戻っていた。
現在
症状は変わらず、ふとした瞬間に電撃痛が頻繁に来る。
夜間痛もでているため、途中で起きることもしばしば。
鍼灸院としての診断
腎膀胱の経気不利、瘀血
治療方針
下半身の腎臓・膀胱のツボのラインをしっかり通してあげる。
下半身の血行を促す。
下半身の血行を促す。
治療内容
初診日:X年9月30日
坐骨神経痛の高齢者
患者さん情報
80代女性 専業主婦 夫と娘と3人暮らし。デイサービスで軽い運動習慣あり。
服用中のお薬
狭心症の薬(薬名不明)
胃薬(薬名不明)
降圧剤(薬名不明)
お悩みの症状
右腰部〜下肢後面にかけて電撃痛
2週間前に発症し、症状は変わらず、ふとした瞬間にNRS10の電撃痛が頻繁に来る。
夜間痛もでているため、途中で起きることもしばしば。
腰臀部痛に電激痛の女性
既往歴〜現病歴
幼少期
特に大きな病気はなく、健康でよく外で遊ぶ子供だった。
中学
ソフトテニス部に所属
15歳で初潮。定期的で月経痛、血塊ともになし。
20代
東京で、製造業の仕事を開始。 この当時、急に足のむくみが出現したため、病院を受診すると「腎臓病」と診断される。 数ヶ月入院し、以降経過観察。
30代前半
よく足が浮腫み、押すと1cmくらい凹むことも多かった。 30代後半からは転職し、医療事務の仕事につく。職場は足元が冷えやすい環境で、細かな作業が多く、長時間座ることも多かった。
50代
腎臓問題なし、閉経
ある時急に足のむくみが出なくなり、腎臓の数値も問題ないと言われる。 更年期症状などはなく、ピタッと月経は止まる。
60歳
急に胸部のもやもや感と動悸が出現、病院で狭心症と診断される。 この頃から孫の面倒をみて、抱っこをするときに腰部に重だるい症状がでていた。数分歩いていると、腰全体に重だるい症状が出始める。
72歳
正面衝突の事故にあう。本人は後部座席に乗車しており、前の座席に顔面、足を強打。 自宅療養で、1-2ヶ月間、家で安静に寝ていた。
74歳
足先の感覚がなく、雲の上をあるくような状態になっていた。 左右差なし。病院で脊柱菅狭窄症と診断され、治療は不明だが、少しずつ寛解していく。
79歳
白内障
80歳
9月18日(初診日2週間前)の朝に、右臀部に違和感程度の痛みを感じたため、普段通っているデイサービスを休む。
その日の深夜、寝ているときに右腰部から右足先にかけて、電気が走るような激痛が出現。
翌日、整形外科を受診し、「腰椎3〜4番目で神経が当たっている」と言われる。
整形外科では、腰の牽引をしてもらい、少し楽になるが、その日の夜には元の症状に戻る。
9/19〜9/25
数カ所の病院に行くが、すべて「神経があたっている」と言われる。
9/26
ブロック注射
直後は楽になったが、病院から帰るころには痛みがもとに戻っていた。
現在
症状は変わらず、ふとした瞬間に電撃痛が頻繁に来る。
夜間痛もでているため、途中で起きることもしばしば。
その他の症状
首肩が凝る
腰が痛い
痰が切れにくい
冷え症である
むくみがある(場所:足)
予約するCTA.png
患者さんの体表観察情報
顔面気色診
顔面気色診
神:枯
色:青白
形:中
心肝白、脾白、腎青
背中の診察.jpg
背候診
左膈兪虚中実、左胆兪虚、右脾兪実、右胃兪実、右膀胱兪虚
舌診.jpg
舌診
舌色:紅色
舌苔:白膩厚苔(舌根部)
舌腹:紅色
舌下静脈怒張
夢分流腹診図.jpg
腹診
以下に硬い邪あり
心下、両脾募、右肝相火
臍周囲
右少腹急結
脈診.jpg
脈診
一息三至 滑弦脈
脈幅+
脈力+
重按ー
手足のツボの診察
経穴診
右合谷虚中実、右腕骨実、左太渓虚、右内関実、右後渓実、右照海虚、右申脈虚、右臨泣実、右足三里実etc
東洋医学的な診断名
腎膀胱の経気不利、瘀血
治療経過
<初診の治療>
治療・・・右申脈1本刺鍼
<2回目治療>
鍼後のだるさや眠気はなし。
前回治療後、激痛がない時間が増えた。しかし、不意に激痛が走ることは1日の中で何度もある。痛みの強さ、質、部位は変わらない。夜間痛、夜間尿もなく眠れた。
同じツボに1本刺鍼 20分
<3回目治療>
鍼後のだるさや眠気はなし。
前回治療後、「激痛が来る間隔はさらに伸びていて、痛みを感じない時間が増えている。しかし、痛みが来るとチクチクと右足先まで刺すような痛みを感じる。」
初診時の痛みps10 →現在7-8
夜は夜間痛もなく、夜間尿もなく眠れた。
同じツボに1本刺鍼 25分
<4回目治療>
前回治療後、「治療当日は症状を感じないが、翌日から日によって右臀部〜右スネまでズキッという痛みが出る。出ない日もあり、刺されるような電撃痛は無くなっている」
普通に歩けるようになってとても喜んでいる様子。
同じツボに1本刺鍼 30分
<5回目治療>
前回治療後、右腰〜右足の症状はかなり調子が良く違和感程度だったが、2日前に重い荷物を持ちながら階段を上り下りしたため、その日から右臀部の痛みが強い。
同じツボに1本刺鍼 30分
<6回目治療>
右腰部から右足先までの電撃痛は一切出ていない。
たまに前屈動作で、右臀部にズキっという痛みあるが、直立していると何も感じない。初診時ps10 →現在ps4
同じツボに1本刺鍼 25分
<7回目治療>
右腰部から右足先までの電撃痛は一切出ていない。
右臀部はズキっという痛みではなく、違和感程度になっている。
夜間痛なし
2日前に、原因は分からないが、突然左肩にズキッという痛みを感じる。
顔を洗うときに感じる。
病院で医師から「左肩の筋繊維が切れてると思う」と言われる。
「今日は肩も一緒に診てほしい」とのこと。
同じツボに加えて、左合谷に2本刺鍼 25分
<8回目治療>
肩はだいぶ楽になった。ほんの少し動かしずらさはある。
腰から臀部はトイレや風呂の立ち上がり時に少し痛むことがある。
右申脈に1本刺鍼30分 +右合谷に刺さないかざす鍼(古代鍼)
<まとめ>
こちらの患者さんは、初診日に車から降りる事ができず、電撃痛に襲われていました。いっとき安静にし、院内に入られ、椅子に座りながら行う問診でも、電撃痛が何度かあるような状態でした。
お話を聞くと、何箇所も病院や整骨院を訪れましたが治らなかったと。
しかし、たった3回の右足首のツボへの鍼治療で、電撃痛がなくなっている。
鍼治療の面白さを改めて感じました。
ちなみに腰痛=申脈という短絡的な考えで、真似すると悪化しますので、ご注意を。膀胱のツボのラインにある申脈。
膀胱だけではなく、腎、陽蹻脈、胆、心神などなど色々な臓腑経絡に関わります。