彩響堂はりきゅう院の施術例

腰

急性腰痛(ギックリ腰)への施術例(唐木田駅から徒歩四分・多摩市中沢の鍼灸院)

2020.06.15

これまでの経過

この患者様は、会社経営者の男性ですが、当院の開院以前に、良く私の鍼灸施術を受けて下さっていました。

若い頃、草野球で腰を痛めてから、数年に一度の頻度で、酷い急性腰痛(ギックリ腰)を発症してしまうそうです。

お会いするのは、約一年ぶりのことでしたが、久しぶりに酷く腰を痛めてしまったとのこと。
奥様の運転する車で来院されましたが、痛みのあまり座席に座ることもできず、後部座席で横になって運ばれてきたとのことでした。

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鍼灸院としての診断

患部は右腰でしたが、その辺りを手で触れると若干の温感があり、内部の筋に強い炎症が起きていることが示唆されます。

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治療方針

急性腰痛、いわゆるギックリ腰とは、どのような状態だと思いますか?

平たく言えば、これは何かの拍子に腰部の筋肉に傷が付き、炎症を起こして激痛を発している状態です。
外からは見えないのでわかりませんが、体内では大きな傷・炎症が生じており、痛いのは当然です。

因みに。急性腰痛で全く動けなくなったり、立ち上がることが出来なくなる方がいますが、これは傷ついた筋肉を守るために、周囲の筋肉が異常に硬直して緩まなくなった状態、一種の防御反応によるものです。
このようなケースでは、硬直した筋肉を触診で見つけ出し、鍼を打って緩めてあげれば、自力でトイレに立つくらいのことは、すぐに出来るようになります。

一方、ズキズキと強い痛みを発しているのは炎症の原発部位なのですが、ここに直接鍼を打つのは極めてハイリスクです。
うまく行けば、劇的に痛みが引きますが、失敗すると大幅に悪化することもあります。これは術者の腕と言うより運任せになってしまう場合が多く、正直お勧めしかねます。
ですので、多くは炎症部位の周囲を刺激し、回復を早めるような処置をするのがセオリーとなります。

ですが!

最強進化形鍼灸・色彩治療であれば、炎症の原発部位を狙って直接カラーを貼付出来る(体表は傷ついていないのですから、全く問題ありません)ので、速やかな鎮痛・炎症の抑制・回復の促進が見込めます!

この方は、色彩治療は未体験でしたが、以上のようなことを説明し、同意を得た上で治療を開始しました。

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治療内容

先ずは、何とかベッドに上がってもらい、横向きに寝た状態で患部の右腰の周りを探りました。
寝ている姿勢も辛いとのことなので、触診は手早く行い、硬く拘縮している筋肉を狙って、十二本ほどの鍼を打ちました。

すると、寝ているのも辛い状態が、徐々に落ち着いてきたとのこと。防御反応のために拘縮していた筋が、緩んだわけです。

これは色彩治療でも、『筋拘縮』等のカラーを使えば同じことが出来ますが、この方は鍼に慣れていたので、先ずは普通の鍼を打たせていただきました。

5分ほど置鍼して、少し落ち着いたところで、カラーの説明を行い、同意を得た上で炎症の起こっている右腰をパワーテストで診断しました。
炎症や痛みのカラーなどが反応したので、これを十数枚ほど貼付して抜鍼。

たったこれだけで、痛みは大幅に改善し、普通に歩いて帰宅されました。

初回の施術が非常に有効であったため、これで終了かと思いましたが、二日後に痛みがぶり返したと、再び来院されました。

おかしいと思って詳しくお話を伺うと、余りに調子が良かったので部屋の片づけを始めたら痛みがぶり返したとのこと。

カラーを貼ると、即効的に痛みが和らきますが、炎症が治まるにはある程度の時間が必要(無論、通常よりは大幅に早く治ります)です。
炎症が治まる前に動き回れば悪化すると説明したのですが、余りに調子が良くて油断したそうです(笑)

その点をもう一度注意させていただき、前回と同じ治療を行いました。数日後にお電話をいただき、非常に良くなった、カラーと言うのは本当に効くんだねと仰っていただきました。

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施術回数・頻度・期間

2回の治療を行ってから2カ月ほど経った頃、奥様と話す機会があったので様子を伺ったところ、その後は順調に治癒したとのことでした。

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施術後のケア

特にありません。むしろ『敢えて何もしない』・・・患部の安静を保つことが重要です。
痛みの出るような状況は避け、普通の日常生活を送っていただくことが、最も適切なリハビリとなります。痛みを感じるのにストレッチや筋トレを行うのは厳禁となります。

なお、治療用のカラーは1週間程度で剥がしていただくように指示しました。(長期間貼り続け過ぎると、かぶれる恐れがあります)

それと、急性腰痛によって生じた体内の炎症は、治癒後に『瘢痕組織』を形成します。
要するに、外からは見えないが、体内には傷跡が残っているような状態です。
この『瘢痕組織』は硬いので、筋肉の運動を妨げ、慢性的な痛みや、第二の急性腰痛の引き金となることがあります。

このようなケースでは、ストレッチなどで瘢痕をほぐすセルフケアを行うほか、鍼やカラーによる施術で瘢痕を緩めることも有効となります。

今回の患者様のように、急性腰痛を繰り返して発症される方は、患部に大きな瘢痕が生じていることが多いです。

対策として、腰にうずくような異常を感じることがあったら、早めに受診して頂くことをお勧めします。鍼やカラーの施術を受けることで、強い痛みの発生を予防することが出来ます。

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