鍼灸ひより堂の施術例

全身

甲状腺眼症により眼球突出と免疫異常が発症しました

2020.02.29

病院での診断

甲状腺眼症

これまでの経過

プライベートで高ストレスの状態が続いている最中に、
甲状腺に対する抗体値が急激に上昇し、
眼球突出、外眼筋の腫れ、網膜剥離などを発症。
専門外来では甲状腺眼症と診断されたが、甲状腺自体には炎症などが起きていない。
ステロイドパルス治療で、症状は一時軽減したが、時間が経つと再発し、ステロイドの量が増えると軽減、減ると増悪を繰り返す。
ステロイドを増量し続けるわけにはいかないため、その他の改善策を探している内に、鍼灸治療に辿り着き来院。

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鍼灸院としての診断

発症の状況を見ている限りでは、高ストレス状態が大きな原因だと思いますが、取りあえず強い症状を起こしている目の周囲は、抗炎症を第一目的にする必要があると考えました。

 また、目を使う仕事であり、瞬きが少なくなりがちなことに加えて、眼球突出によりまぶたが閉じないことで、角膜が知覚過敏を起こしているようでした。

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治療方針

今回の甲状腺眼症では、眼球突出の原因となる抗体をいきなりなくすという方法は現実的ではないため、局所的な反応である炎症や、眼球周辺の知覚過敏を改善することを目標としました。

炎症物質を早く取り去るために、炎症でうっ血しがちな血液循環を促すために、局所と遠隔のツボを使って刺激することとしました。

また目の知覚は、三叉神経の第1枝である眼神経が支配しているため、眼神経に対して、知覚をブロックする施術を加えることで、自覚的な痛みや違和感を無くすことも重視しました。

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治療内容

局所と遠隔のツボを使用して、目の周辺の血流を増加させました。
具体的には、目の周辺や後頚部、手足のツボになります。

また眼神経をブロックするために、特に眼神経と関係が深いツボには、少し特殊な刺し方をしました。
鍼を本数や手技は、次回の施術時に評価をしてもらい、徐々に最も効果的なツボを絞り込みました。

明らかに効果的だったツボに関しては、次回も積極的に取り入れることで、自覚的にも客観的にも良い施術が出来ました。

また長期的な目標として行ってきた、脳ストレスに対する施術も、施術時にじっくりお話するカウンセリングも、時間と共に良い状態を作る結果となったようです。

約3か月で、ステロイドを使用せずにコントロール出来るようになりました。
また眼球突出も、眼科の計測上軽減してきました。
自覚的にも、眼球の動かしづらさや違和感が減って来たそうです。

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施術回数・頻度・期間

最初の3カ月週2回(出来るだけ)
その後週1回施術(現在4ヶ月目)

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施術後のケア

ストレスの原因が継続中のため、まだ手探りの段階ではありますが、良い状態を保つことは出来ています。
後は、眼球突出がどこまで軽減するかということと、頻度をどこまで減らし、どの段階で経過観察に出来るかということです。

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