鍼灸ひより堂の施術例

足

10年前に痛めた古傷が定期的に痛む

2020.02.18

病院での診断

原因不明の痛み

これまでの経過

10年前に高所から落下し、全身を打撲した。
傷自体は癒えたにも関わらず、定期的に右股関節、腰が痛み出すことがある。
医師の診察では、原因不明で治す方法がないと言われた。
たまたま旅行先の日本滞在中に、右股関節が痛み出し、歩行も辛くなり、寝ることすら出来なくなった。
そこで、ネットで近くの鍼灸院を探して当院に来院されました。
鍼灸治療は、当院で受けるまで受けたことがなかった。
香港人だが、日本に長期滞在中に来院。

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鍼灸院としての診断

来院時、右肩から右背部にかけて広範囲に筋緊張が見られた。
患部である腰や股関節には、強い炎症は見られなかった。
逆に冷え固まっているような、血行障害が見られ、股関節の回旋障害が両側に見られました。(右>左)

また趣味でダーツをしているようで、長時間半身の体勢を維持することから、右半身に偏った筋肉の張りが見られました。

定期的に痛みがぶり返すということを考えると、根本的な原因が解決されないまま、疲労や何らかのきっかけで、再燃するようです。
神経因性疼痛の要素もあることから、単純に筋肉の張りを取るだけでなく、脳に対してアプローチする必要がありそうだと感じました。

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治療方針

予定では、日本にまだ10日余り滞在予定で、朝方なら毎日でも来れるということでしたので、最初の2~3回を筋肉の緊張と痛みを取る施術としました。
ご本人の意向で、日本滞在中に、出来るだけ体調を良くしたいということで、継続して施術して、出来るだけ慢性痛にもアプローチするという計画を立てました。

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治療内容

【初回の施術】

<うつ伏せ>

 まず最初に頸部や肩、背部の筋緊張を軽くほぐし、痛みにより歪んだ体を整えました。
その後、腰部や股関節後面に対して施術し、筋肉を緩めました。

<横向き>

 痛む方を上に横向きの体勢で、股関節の深い部位に対して施術を加えました。
長年凝り固まった深い場所の筋肉に対しては、殆ど手付かずの状態だったようです。
かなり大柄な元アメリカンフットボール選手だったため、マッサージなどでは手が届かない深い場所には、鍼灸治療か超音波くらいしか刺激が届かないでしょう。

<施術後>

 痛みが約半分になったところで施術終了としました。
次回は翌日来院予定としました。


【2回目の施術】

 昨日に比べて大幅に体の歪みも改善されました。
ほぼ真っ直ぐと言って良いほどで、自覚的にもよく眠れたということでした。
痛みは昨日の半分というところからスタートでした。

<うつ伏せ>

 昨日よりも筋緊張の部位がハッキリしているため、少ない鍼で施術が出来ました。
腰部よりも、仙腸関節(骨盤後面)に張りが見られたため、仙腸関節に対して施術を加えました。

<横向き>

 昨日よりも長い鍼で、更に奥深くまで施術を加えました。
10分間の置鍼後、鍼を一旦抜いてからベッドに腰を掛けて頂き、足先に鍼を刺した状態で、運動鍼を行いました。
運動鍼は、鍼を刺したままで、特定の動きをしてもらう施術です。

全て抜鍼後、立ち上がって痛みを見てみてもらうと、更に痛みが半分ということでしたので、昨日からは約75%減ということでした。


次回は、翌々日来院予定としました。


【3回目の施術】

 痛みはほぼ無くなり、日常生活に不自由は全くないとのことでした。
施術は2回目の内容とプラスして、帰国後も出来るストレッチの指導やトレーニングの指導もしました。

 施術終了後は、痛みがなく、これほど早く痛みが引いたことがなく、香港では治らないと言われていたため、大変喜ばれました。

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施術回数・頻度・期間

合計3回(発症翌日、翌々日、発症5日目)

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施術後のケア

帰国後、鍼灸院があった時に同じように施術が受けれるように、鍼灸カルテをお渡ししました。
またストレッチの指導や、トレーニングを継続して、左右のバランスを整えたり、筋肉の再教育をするプログラムをお渡ししました。

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