鍼灸ひののきの施術例

動悸がして眠れない

2023-06-24

これまでの経過

動悸と睡眠障害で来院されました。
約5か月前から動悸がして内科を受診。心電図では異常がなかった。
睡眠障害は、寝つきの悪さ、中途覚醒、寝汗をかくなど、睡眠全般に支障が出ている状態でした。

症状が出始めたときに、環境の変化や人間関係の悩みがあったとのことで、それらも影響しているかもしれません。
心療内科の服薬は最終手段にしたい、とのご希望があり、鍼灸施術を始めることにしました。

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鍼灸院としての診断

動悸は、心電図で異常がないとのことで、まずは心臓に問題が無いことは安心でした。

他の症状として
・首がこる
・手汗、腋汗が多い
・めまい
・お腹が張る

などがありました。

脈は硬く緊張したかんじ。
お腹や背中も硬く張ったような状態でした。

これらのことから、気のめぐりの悪さや熱が多い状態であると推測できます。
自律神経で考えると、交感神経が優位な状態といえます。

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治療方針

熱をさばいていくことが必要です。

動悸は心臓がバクバクと速く動いている状態です。体もたくさん動くと熱くなりますよね。
手汗、腋汗が多いことからも熱が多いことが分かります。
この熱を冷ましてあげるわけです。

それには、内臓の「腎」の働きをしっかりさせる必要があります。
ここがしっかりすると、睡眠の問題も変化が期待できます。

施術は、5~7日に1回ペースをすすめたが、仕事の都合で10日に1回ペースとなりました。

生活習慣では、飲酒の回数とスマホの視聴時間を減らすことを提案しました。

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治療内容

腎と関係するツボ、「照海」「太渓」などに鍼をして、腎の働きを高めます。
気のめぐりをよくするために、お腹にあるツボにお灸や鍼をします。

■1回目
お腹にお灸をしてから、手足のツボに鍼をします。
うつ伏せになってもらい、背中~腰、ふくらはぎ、首周りにも鍼をしていきます。
最後に仰向けになって、お腹と足首にある腎と関係するツボに鍼をして終了しました。

施術は鍼を刺さない接触鍼と、台座がついてるお灸(火が直接肌に触れない)を使用しました。

■2回目
前回後、1週間ほどよく眠れた。
2日前から動悸と中途覚醒が出てきて、前夜は4時間ほどしか眠れなかったとのこと。
同様の施術をする。

■3回目
動悸は1回起こっただけで、中途覚醒もないとのこと。
首のこりが気になるとのことで、そちらも意識したツボを追加する。

■4回目
動悸、中途覚醒なくよく眠れている。
今は、首のこりが一番気になるとのこと。

今回から、頚部に浅く鍼を刺す施術を追加した。
施術後すぐに首のコリの変化を実感。

■5回目
これまで調子よかったので、昨夜飲み過ぎてしまったとのこと。
飲酒は身体に熱を生じさせるので、体調にも影響すると説明した。

動悸、睡眠障害は出ていないとのこと。

不調をぶり返さないために、間隔を空けて施術を継続中です。

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