のりこ鍼灸院の施術例

目

目元がピクピク動く。範囲がどんどん広がってきた。

2020.01.28

病院での診断

眼瞼けいれん

これまでの経過

《右の目元がピクピク動く》
・気になりだしたのは15年前から。
・頻繁に動くようになり、発症1年後に大学病院の眼科を受診したが、今の時点でできることはないと治療はなし。
・それから14年間、気にしないようにとやり過ごしていたが、症状は徐々に悪化。
・半年前にペインクリニックを受診し、抗てんかん薬を処方され服用したが効かず。
・ボトックス治療も紹介されたが、定期的に打たねばならないこと、全員が効くとは限らないという説明を受け、止めた。
・最近は目元だけでなく、顔全体がピクピク動くようになってきた。
・動き方も、ピクピクだけでなく、ギューと強く動き、勝手に目が閉じてしまうことがある。
・運転中に目が閉じることもあって怖い。
・常にピクピク動いているので、人の目も気になる。
・特に、写真を撮るとき(被写体)は必ず動く。

運転中のけいれんでいつか事故を起こすのではないかと怖くなり治療を決意。
何か治療法はないかと探して、当院へ来てくださいました。

主訴以外の症状
・肩こり
・寝不足(寝入りが遅い)

既往歴
・円形脱毛症

続きを見る

鍼灸院としての診断

脈:弦
舌:痩

お話を伺う中で気になったこと
①昔お子さまのことで悩んだ時期があったこと
②昨年離れて暮らすお母さまの看病で大変だったこと

①は約15年前、②は1年前とのこと。
けいれん発症の時期、悪化した時期と重なります。

また、やや気にしすぎる性格だとおっしゃっていました。

総合的にみて、「肝気うっ滞」と判断。

肝気うっ滞とは、ストレスなどで気血の巡りが悪くなっている状態のことです。
また、肝は目と筋と関係が深いとされています。肝の働きが低下すると、目の異常、筋の異常が現われます。けいれんも筋の異常の一つと考えられます。

続きを見る

治療方針

ずっとピクピク動いているということなので、まずは動かない時間を作ること。

全身の施術としては
・気血の巡りをよくすること。
・心身ともにリラックスしてもらうこと。

気にしすぎる性格とおっしゃっていたことと、写真撮影時は必ず動くことから、精神的なものも含まれると思います。治療でリラックスしてもらうこと、これも必要不可欠です。

続きを見る

治療内容

・肝の働きを促す
・気血を巡らせる
・肩こり改善
・眠りをスムーズに
・気持ちを落ち着ける

これらを目的とした
全身治療 + 局所治療(目の周り)+ 耳鍼
を施術しました。
※耳鍼は動きを抑制する目的で施術。

治療経過
・2回目、肩こりが楽になった。
・4回目、ギューっとなる強いけいれんが減ってきた。
・6回目、強いけいれんが起きても目を閉じなくなった。
・12回目、強いけいれんはほとんどなくなった。でもピクピクのけいれん回数は変化なし。
・19回目、強いけいれんはもうなくなった。ピクピクも少しましになってきた。
・25回目、けいれんの回数が多い日と少ない日の差が激しい。

治療による変化がなくなってきたので、電気鍼を追加。
目の周りに打った鍼に通電をしました。

・29回目、まだ日によるが、動かない日ができてきた。

33回目のとき帯状疱疹になり、同時にけいれんも悪化しました。帯状疱疹とけいれんを同時に治療しています。

35回目、目元と顔がピクピク。
41回目、顔のピクピクは落ち着いてきた。

続きを見る

施術回数・頻度・期間

治療は週2回。
改善がみられたので、20回目以降は週1回に変更。

現在治療回数42回。
初回から10か月半経過。

まだ動いていますが、回数も質もなかり改善されています。

続きを見る

施術後のケア

治療中の10か月半の間に、
・円形脱毛症
・帯状疱疹
・五十肩
になられました。当院へ通院中だったので早期に鍼治療をすることができ、それによりどれも数回で治りました。
早い段階で治療することの大切さを感じました。

けいれんは発症して15年と長い年月がかかっていますので、完治までいけるかどうか分かりません。
鍼治療をしていれば落ち着いているということなので、納得できるところまで治療を受けていただければとお伝えしています。

続きを見る