さくら鍼灸院の施術例

食欲不振、息切れ、慢性疲労

2020-07-27

これまでの経過

1週間前から胃腸の不調で食欲なく下痢が続き、気持ちも塞ぎがちになっていたことで来院されました。
しばらくお粥を食べていて3キロほど体重が減り、体力、気力が落ちたようでした。

若い頃は油脂物や味の濃い料理を好まれ、最近までキムチやコーヒーなどの刺激物、冷たい飲み物や食べ物もよく摂っていたようで、和菓子や洋菓子を食べる機会も最近は多かったようです。

下痢は4日ほどで止まり、来院後の食生活はかなり良くなり和食中心に変えられたことで、体調も回復してきました。

6月のMRI検査などで膵臓に病変の疑いが見つかり、膵液の流れが悪くなってしまっていると診断されました。
鍼灸の施術を数回してからの検査結果だったので異常なしの診断をいただきホッとしました。
食生活も同時にかなり変えていた時期だったのでよかったです。

食生活とストレスがかなり関与していると考えられます。
施術しながらお話しを聞かせていただくうちに気持ちがスッキリされて、生活習慣の改善もどんどん実行されていきました。

3ヶ月17回の施術期間。
ストレスが気にならなくなると食欲は戻り、息切れや過呼吸、倦怠感、不安感なども全くなくなったと自覚され、施術の期間を徐々に開けて通院をしていただいています。

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治療方針

更年期で不定愁訴が多くなってきた時期に相当なストレスがかかる。ストレスから肝鬱を起こしており、更年期の腎の弱り(腎虚)から動悸、息切れ、下痢など腹部の症状が悪化したと思われる。

油脂物や甘いものを好んで食べていたことも加わり、消化器の弱りや気の停滞から肝気の鬱滞による食欲不振や息切れ、慢性疲労感などの症状が出たと考えられる。


自転車で当院まで30分かかるが梅雨と真夏の時期に通院できるのは全くの気虚ではないと考えられる。もともと体力もあり仕事も家事もされていた。

足の冷えはあるが、施術は腎虚と脾虚を補いつつ、適宜、肝、胆、胃の熱を抜きながら、肝鬱がひどくならないように施術を心がけていく。

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治療内容

初診5月6日 息切れがひどく食欲不振で体力気力が相当弱っている
  1週間ほどお粥で体重減少、下痢気味、下半身の冷えがきつい。
  関元、足三里、太白、三陰交、脾兪、腎兪、大腸兪などに施灸。

2診目5月10日 同上 少し食べれるようになる。
足の冷えはまだきつく、仰向け時に左足が付け根から右側に倒れていて骨盤の歪みが見受けられる。右足もやや左へ傾く。

3診目5月16日 肩首の凝りがひどく上の熱感をとる鍼をする。
天柱、風池、肩井、膏肓の硬結に鍼。
ストレスがかかりまた下痢がひどくなる。
前日は息切れひどく過呼吸になる。

5診目5月24日 同上の施術 
気分スッキリ体調も良くなる。下痢も止まる。
胃腸が良くなると同時に仰向け時に両足先が右側へ傾いていたのがまっすぐになる。骨盤の歪みが矯正され、ずっと歩きづらかったのにスムーズに歩けるようになる。

6診目5月28日 胃の熱を抜くため、膈兪、胃兪、内庭、合谷に鍼。額の頭重感がある。
食欲が出たので食べ過ぎてしまう。カレーやチーズを食べていたため、お粥と梅干しにする。

7診目6月1日  同様の施術。
自宅施灸と、掃除片付けを始める。体力が戻ってきている。

8診目6月4日  消化器の働きを高めるツボを適宜使い鍼灸施術をする。
倦怠感、重だるさがある、梅雨の高温多湿でスイカを食べアイスも少し食べてしまう。

9ー12診目 その時の体調に合わせた施術を行うが食欲が戻り、調理を楽しむことができ、些細なことが気にならなくなってきた。

13診目ー17診目 7月30日まで施術。
食欲が戻ると、アイスクリームや揚げ物なども少し食べてしまうこともあり、腹部の中央が硬くなる。ストレスが体調と大きく関係していると気づかれてからは両面から体調管理を行われている。

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施術回数・頻度・期間

5月6日から7月30日までの3ヶ月間で17回の施術。
現在は週一回から10日に一回のペース。

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施術後のケア

体の変化と精神面が大きく関係しているとご自分で納得されており、生活習慣も工夫して変えていただいたので、回復が早かったように思います。良くなるとまた元の食生活や生活習慣に戻ってしまうので、気をつけてお過ごしていただきたいと思います。

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