春日鍼灸治療院の施術例

腰痛

2020-02-10

病院での診断

外傷性腰椎椎間板ヘルニア

これまでの経過

2017年1月に交通事故で全身打撲にて市立病院に収容された。その後帰宅したが腰に痛みが出始めたので近くの整形外科に行った。X線検査、MRI検査の結果外傷性腰椎椎間板ヘルニアと診断された。飲み薬をもらいしばらく通院したが痛みが全く取れなかったので紹介状をもらい総合医療センターに転院した。そこでも同じ診断だった。薬を処方されてその後通院した。症状は回復していたが台風の接近とともに症状が悪化した。
症状は右側下腿、右側腰(骨盤)外側の痺れと痛み。

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鍼灸院としての診断

痺れと痛みが出ている範囲がL2の範囲と総腓骨神経の分布している範囲に見られるので事故により(御自身の軽自動車に横から10tトラックに突っ込まれた)より該当する高さにヘルニアが出ているものと思われます。御本人が気にしている背中のハリはヘルニアの影響により筋緊張が現れているものと考えます。

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治療方針

脊柱起立筋のハリに対しては軸索反射により血流を促し症状の改善を目指す。
痺れや痛みに対しては炎症の鎮静と鎮痛を目的に施術をおこなう。

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治療内容

脊柱起立筋に関してはその起始部と停止部に刺鍼をおこなう
ヘルニアの発生頻度が高い(L4・L5間 経穴的には大腸兪)には灸頭鍼という手技をおこなう。(ヘルニアへの対処)
臀部の痛みと痺れに対しては神経の走行の念頭に置いて、下腿の症状にたいしては総腓骨神経に対して低周波鍼治療を実施する。

初診・・右側下肢、右側腰の真ん中付近から外側の痺れと痛み。

2回目・・前回の治療後痛みの程度は変わらないが翌日服薬後あまり効き目がないのだが、痛みが消失していた。次の日には元に戻った。現在も変化はないが、体の動きは良くなっているような気がする。

3回目・・症状は右側足の裏側、右側の腰の外側の痺れと痛み。
※治療後は2・3日は症状が強くなるがその後は無症状の日がある。症状の強い時は眠れない時があるので、整形外科にてモルヒネの手前ぐらいの効き目の鎮痛薬が処方された。全体的に動きはスムーズになってきている。姿勢も前傾姿勢が強かったが体が起きてきている。

4~9回目・・右側のふくろはぎ、右側腰の外側の痺れと痛み
4回目・・朝は比較的調子はいいが疲れてくる夕方には症状が強くなる。痛みは以前の様に大きな波にはなっていないが症状は継続してある。仕事で長時間座っていると痛みが出る。寝ていて痛みのために目が覚めるときがあるので、処方された薬を飲んでいる。

5回目・・今週に入って建物の中の移動は現在は車椅子ではなく歩行器で移動できるようになった。寝ていて痛みで目が覚めることは現在もあるが痛みの程度は以前に比べると半分ぐらいになっている。

6回目・・仕事場の移動は現在はほとんど歩行器を使用している。ただ最近痺れが強くなって来ている。前かがみになると楽になる。少し便秘気味で小便も出すまで多少時間がかかるように思える。寝ている時の出る痛みは一番痛いときを10とすると、現在は5~6ぐらいである。

7回目・・仕事場で歩行器を使えば小走りできるようになってきた。当直勤務もどうにかできるようになってきた。前回の痺れとその他の症状については病院に行ったが寝ている時の痛みの話になって担当医にいうことができなかった。痛みの方は薬の服用量を少し増やす話になっている。

8回目・・長時間経っている時は歩行器を使用している。歩いていると痺れというかつれているような感覚が出る。姿勢は大分正常に近くなっている。寝ている時の痛みはあるものの大分軽くなっている。以前より寝ている時間は長くなっている。

9回目・・痛みは時々わすれてしまい薬を飲むことを忘れてしまっていることがある。動きはよくなっている。寝ている時の痛みもあるものの大分軽くなっている。

10回目・・歩行器を使えば小走りできるようになった。長い間立っているときや寝ている時に腰の外側と右側の外くるぶしの周辺から小趾にかけての痛みは痺れるような感じになっている。その時に腰の右側に痛みのようなものを感じる

11回目・・歩行は歩行器を使用すれば動けるようになっている。寝ていて仰向けになると右側のお尻の上あたりに痛みが出て目が覚めてしまう。普段は右側股関節の周辺に痺れがある。(知覚鈍麻がある)今日歩くことが多かったので右側の足首の前方に痛みがある。

12回目・・午前中は歩行器ではなく杖で歩くことができるようになった。夕方には歩行器を使用している。寝ていても仰向けで少しいられるようになった。右側のお尻の外側と足首に以前に比べて楽になっているが痛みがある。同じ位置に痺れのようなものもある。

13~16回目・・現在は歩行器ではなく杖を使って移動している。以前に比べると格段に良くなっている。寝ているとお尻の上の方に痛みがでて目が覚めてしまう。立っていると股関節あたりに痛みが出てくる。あと右側の脛あたりに痺れがある。
16回目の施術より脊柱の反応のある椎間を1~3カ所選び、その椎間を挟むように上下6カ所に施灸を米粒大各7壮おこなう。

17回目・・右側のお尻の外側と右側の脛あたりに痛みはあるが以前に比べるとかなり楽になっている。夜寝ていても目が覚めることはなくなった。
治療に脊髄上の反応点を探ってそこに米粒大7壮の灸を実施するのを加える。

18回目・・いつもの症状に加えて右側の内側のくるぶしの斜め上あたりに痛みがあり、右側の脛の外側に痺れもある。杖なしで往復6mぐらい歩けるようになった。

19~20回目・・症状がない時もある。移動は杖を使用している。

21・22回目・・杖を使って歩いているが数メートル杖無で歩くことができるようになった。

23・24回目・・短時間だが杖無しで歩けるようになった。右側のお尻の外側と脛の外側の痛みはかなり改善されている。一番痛い時を8ぐらいとすると現在は2~3ぐらいになっている。今はなんとなく違和感がある程度である。

25~28回目・・建物のなかでは杖なしで歩けるようになった。小走りもできるようになった。外ではまだ怖いので杖を使っている。痛みは時間が経ってくると出ることがあるが寝ていて痛みのために目が覚めることはなくなった。

29回目・・ほとんど杖なしで過ごしている。疲れてくると右側の脛の外側に異和感がある。

30~33回目・・ここのところほとんど杖なしで生活できている。気温差があったり、疲れてくると少しだが右側のお尻の外側と上の方と脛の外側に症状が出る。

34回目・・現在は歩行になんの支障はない。痛みのために寝ていて目が覚めるということもない。お尻の外側の上の方と右側の脛の外側の痛みと痺れも全くない。

御本人の仕事が忙しくなるということと当面の症状は消失したので今回で終治といたしました。ただ症状が再発した場合はすぐに来院するようにお伝えしました。

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施術回数・頻度・期間

施術回数 34回  頻度 週2回  期間 11カ月

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施術後のケア

少し良くなると動き回ろうとするので、決して無理しないように少々強めに注意を促しました。

できることはするようにとお伝えしました。

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