漢方鍼灸院 ナチュラルオリエント目白の施術例

首

中途覚醒 1ヶ月

2022.08.08

病院での診断

受診はしていない

これまでの経過

中途覚醒が1ヶ月くらい前から毎晩2~3回ある。ちょうどそのころから仕事が忙しくなり夜はベッドに入るとすぐに寝てしまう。睡眠時間は5時間くらい。そのせいか日中はとても眠くなる。

疲れやすくなり仕事もしんどいと思うようになってしまったため来院。

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鍼灸院としての診断

【問診】
中途覚醒するようになったのは、1ヶ月くらい前でちょうど仕事が忙しくなった時と重なっている。その頃から現在までカゼなどは引いてはいない。リラックスしようとお風呂に入って温まっても特に症状は変わらず。

八網弁証:裏虚平証


顔色はやや黄色、体格は痩せ型。声は小さい。髪の毛が抜けやすい。特に疲れている日は中途覚醒し夢も多く睡眠の質が悪い気がする。生理周期は遅れがちで経血量は少ない。血塊や月経痛は無い。

気血津液弁証:気血両虚証


【随伴症状】
食事は1日3食だが、1回の量は少ない。もともと胃腸は丈夫な方ではなく、油ものを食べると胃もたれするのでほとんど食べない。甘いのもは好きでチョコレートなどをついつい食べてしまう。めまい・立ちくらみがたまにある。お腹は張りやすく軟便傾向。舌淡 脈細弱。


【症例考察】
もともと胃腸が弱くお腹の張りや軟便になりやすい脾気虚証である。仕事が忙しく労力過度となり、脾の運化昇清が失調し気血不足となる。心神は血で養われ精神・意識・思惟活動が保たれるため、血が不足することにより心神を養うことができなくなり睡眠に影響が出ていると思われる。

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治療方針

治則:本治 治法:補益心脾 以生気血

今回の症例は患者の脾が疲労により虚してたことが原因で、気血が損耗し、心神が栄養されないため起こっている。

そのため脾を補うことで気血を生み出し、そして心神を養うことを目的として治療にあたる。

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治療内容

【初診】
①補益心脾
神門(補) 三陰交(補)

②疏通経絡・舒筋活絡
肩こりも訴えていたため、肩こりの治療もあわせて行う。

※症状があるうちは続けて治療をやった方が効果があるため、次回は1週間後で予約。

【2診】
施術した日の夜は驚くくらいぐっすり眠れたとのこと。仕事の疲れが溜まってくるとまた中途覚醒し始める。今回も前回と同様の治療を行う。

【3~5診】
施術した夜はリラックスでき熟睡できる。5診目からはあまり中途覚醒しなくなってきた。処方穴は前回と同じ。

※症状が改善傾向にみられるため治療ペースを1週間から2週間に変更する。

【6~8診】
①補益脾気
足三里(補)陰陵泉(補)

②疏通経絡・舒筋活絡
肩こりも訴えていたため、肩こりの治療もあわせて行う。

中途覚醒はほぼなくなった。仕事が忙しくなり疲労が溜まると中途覚醒しやすく軟便になることから、脾気を高める処方に切り替える。

【9診~】
①補益脾気 
足三里(補)陰陵泉(補)

②大補元気
関元・気海(灸補)

③疏通経絡・舒筋活絡
肩こりも訴えていたため、肩こりの治療もあわせて行う。

④鍼薬併用
参苓白朮散 30日分

中途覚醒は改善。胃腸がもともと弱く疲労しやすいことから、今後は補益健脾を本として治療を行っていく。

鍼灸治療は月に1回となるため、漢方「参苓白朮散」を併用する。

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施術後のケア

①脂っこいもの、甘いもの、冷たいものなどはなるべく控え消化の良いものを食べるようにする。また補気養血のために、米、じゃがいも、キャベツ、ほうれん草、ニンジン、レンコン、鶏肉、イカ、タコ、ブリなどを食べるようにする。

②睡眠不足に気を付ける

③「足三里」に1日1回3壮お灸をする

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