安産治療

2023-10-13

妊娠期における「安産治療」は今から約1300年前から行われている日本独自の伝統医学です。特別な温灸を使用する安産治療は古くから「安産灸」治療とも呼ばれ、出産時の陣痛の痛みを和らげたり、スムーズなお産を助けるなど、妊娠期におこりうるマイナートラブルに大きな効果が期待されています。お灸の起源は古く、中国伝統医学の言い伝えでは、今から2000年以上前に古代中国の北部地方で発祥したとされています。お灸の効果のメカニズムは複雑で、現在も解明されていない内容もありますが、一部の学説では「灸施術」は身体の免疫機能・代謝機能を高め、病気になりにくい体を形成することが可能であると報告されています。また、投薬治療に比べ副作用が非常に少ないため、産科・婦人科系の疾患にも効果的であるとも言われており、お灸を使用した「安産治療」の主な効能や効果として公益社団法人 全日本鍼灸学会では次のように報告されています。

・血液の循環(胎盤の血液循環)改善
・長引くつわり、むくみや冷え、便秘の改善
・お腹の張りや羊水過少など、妊娠経過に伴う様々な徴候の改善
・早産の予防
・逆子の予防
・陣痛の痛みの緩和(鎮痛効果)
・微弱陣痛等の難産の予防(分娩力の向上)

治療を開始する時期ですが、当院では妊娠5ヶ月頃の安定期に入った頃 ( 胎動を感じ始めるタイミング ) から施灸を開始するようにお伝えしています。お灸というと「お灸をすえる」というイメージから「熱い」「火傷しそう」といったイメージがありますが、温灸を使用しますので火傷の心配はほとんどありません。