鍼灸とは
- 鍼灸の基本
- 鍼灸とは
- 投稿日
- 2016年07月08日
鍼灸とは
身体に、鍼とお灸を使って刺激を与え、様々な疾患を治癒する医療技術です。
鍼は、直径0.1~0.3mmほどの鍼を身体に刺入する治療法です。
お灸は、数ミリサイズのもぐさに火を付けて、皮膚に温熱刺激を与えることで疾病を治癒します。
なお、お灸をするために使うもぐさは、ヨモギの葉の裏にある繊毛から精製されます。
歴史
もともと鍼灸師という存在はなく、庶民が自分で自分を治癒するために開発されたのが鍼灸の起源と言われています。つまり、医者や鍼灸師にかからないでも、自分の自己治癒力=免疫を高めることで、健康を維持するために鍼灸は生まれたと言われています。
それ以外の詳しい歴史はWikiに詳しく掲載されていますので、ご覧ください。
発祥は、中国。中国から韓国、そして日本という流れで伝わったと言われています。
「現代鍼灸」「伝統鍼灸」「中医学」の3種類に大別
現在日本にある鍼灸は、「現代鍼灸」、「伝統鍼灸」、「中医学」という3つに大別されています。現代鍼灸は、西洋医学(現代鍼灸)に近く、骨や筋肉、神経など科学的に解明されている理論に基づいて行われます。現代鍼灸は、極力論理的に説明できることを重視されているため、誰が聞いてもわかりやすいというメリットがあります。但し、効果の持続が短期的と言われることがあります。伝統鍼灸は、元々中国から入ってきた鍼灸を、日本人に合うよう、そして日本人らしさを取り入れて改良を続け、伝えられている治療です。「気」や「経絡」など、目に見えない、且つ科学的に証明されていないため(今のところですが)、なぜ鍼灸の効果があるかなどの説明を聞いた際に、理解しづらい面があると言われることがあります。一方で、3,000年の歴史に基づく統計的な効果がわかっている点もあり、
鍼灸はどういう時に受ける?
西洋医学には、健康か病気か、この2択しかありません。一方で、東洋医学には、健康と病気の間には、未病という段階もあると考えます。未病とは、なんか身体の調子が悪い・・・という状態を指します。未病の時は、病院に行って検査や診断をしても、何ら問題がない、レントゲンやMRIには何も写らない、数値的に何も表示されない、そんな状況です。ですから、お医者さんは、手の施しようがないという場合もあります。そういう時こそ、鍼灸を受けるとよいでしょう。不定愁訴という言葉で表現されることもあります。なんかだるい、体が重い、やたら身体が冷える、冷えていることにも気づかない、眠れない、イライラする、動悸がする、理由もなく不安になる、感情の起伏が激しい、怒りっぽい、注意力がない、すぐに落ち込んでしまう、やる気がでない、ふと孤独を感じる、感情がコントロールできなくなるなど、自分でもこれが病気?と思ってしまうような症状も、未病の時に現れることがあります。そんな時は、一度鍼灸を受けてみてはどうでしょうか。但し、鍼灸師によっても、得手不得手があります。不定愁訴を得意とする先生もいれば、肩こり・腰痛が得意な先生もいます。美容に特化している鍼灸院もあれば、不妊治療に特化している先生もいます。ぜひ一度電話で相談してみて、鍼灸師の先生が対応できるようなら予約してみるとよいでしょう。
鍼灸の効果
上述のとおり、原因がわからない、病院で問題ないと言われる、でも体の不調がある、といった時に鍼灸を受けて頂くのがおススメです。また、それ以外にWHO(世界保健機関)が公式に、以下のような疾患に鍼灸は効果があると定めています。
【神経系疾患】
神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
【運動器系疾患】
関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・頚椎捻挫後遺症・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
【循環器系疾患】
心臓神経症・動脈硬化症・高血圧低血圧症・動悸・息切れ
【呼吸器系疾患】
気管支炎・喘息・風邪および予防
【消化器系疾患】
胃腸病(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
【代謝内分秘系疾患】
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
【生殖、泌尿器系疾患】
膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
【婦人科系疾患】
更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え性・血の道・不妊
【耳鼻咽喉科系疾患】
中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎
【眼科系疾患】
眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
【小児科疾患】
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善
鍼灸のデメリット・副作用
鍼灸のデメリットとして、まれに起こる副作用があります。「鍼あたり」とか「瞑眩(めんげん)反応」と呼ばれます。
具体的には、
だるい
気分が悪い
頭が痛い
眠い
吐き気がする
などといった症状です。
また、鍼をした箇所に、皮下出血(あざ)ができる場合があります。
また、効果が保証されない、なぜ効果があるのか論理的な説明ができない、エビデンスがない、そういった点も、デメリットと言いますか、鍼灸の難しい部分です。