鍼灸解説コラム:小児麻痺はリスクを抑えた
鍼灸治療が効果的
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おなかにいる間もしくは出生直後、何らかの原因で脳に障害が生じて体の動きが不自由になることを脳性小児麻痺といいます。年齢に応じて進行する麻痺や、一時的な麻痺は脳性小児麻痺に含まれません。いわゆる「小児麻痺」と呼ばれる急性灰白髄炎とはまったく別の病気です。脳性小児麻痺になると背骨の側湾(横に曲がること)や筋萎縮、関節の硬化などが生じることがあります。痛みを和らげるためにも鍼灸のツボマッサージなどで定期的にほぐしましょう。
【脳性小児麻痺の症状】
脳性小児麻痺とは、おなかにいる間もしくは出生直後、脳に損傷を受けたことによる後遺症を総称したものです。脳の損傷度合いによって症状は異なり、わずかに異常が見られる軽い程度のものから、けいれんを引き起こす重い程度のものまでさまざまです。
主な症状としては運動発達の遅れ・姿勢の異常・関節の硬化、知的障害、視覚障害、聴覚障害、呼吸障害などがありますが、成長につれて症状が変わる可能性もあります。
【脳性小児麻痺の原因】
脳性小児麻痺の原因にはさまざまなものがあります。妊娠中においては妊娠高血圧症候群をはじめとしてウイルス感染や染色体異常症など、出産時には胎児仮死(酸素供給不足)や頭蓋内出血など、出生後には脳炎や脳髄炎などが挙げられます。
【脳性小児麻痺の治療法】
脳性小児麻痺を完全に治すことはできません。ただし、治療によって活動範囲を広げたり、自立性を高めることは可能です。筋肉の緊張や体の変形は手術やリハビリテーションで改善でき、関節の痛みやけいれんなどは投薬で軽減できます。こうした治療と同時に行われているのが鍼や灸を使った鍼灸治療です。脳性小児麻痺になると骨格にゆがみが生じることが多く、さまざまな場所に痛みやこりが生じます。定期的にツボマッサージを行って緊張をほぐしましょう。脳性小児麻痺にともなう痛みやこりに期待できるツボは「天柱(てんちゅう)」、「肩井(けんせい)」、「合谷(ごうこく)」などが挙げられます。
天柱・・・
首の後ろにある2本の筋肉(僧帽筋)の外側、髪の生え際にあるツボ
肩井・・・
首の根元から肩先の中間にあるツボ
合谷・・・
手の甲、「人差し指の骨」と「親指の骨」が合流する場所の人差し指側にあるツボ
【脳性小児麻痺に期待できる鍼灸治療の効果】
関節痛や筋肉の緊張を抑える薬は、副作用が強いことから投薬メインの治療には限界があります。リスクを抑えつつ、症状を抑えるためには鍼や灸による鍼灸治療が効果的です。
脳性小児麻痺で起こりがちな首こりを治すときは「天柱」、首と同じく最も負担がかかりやすい肩のこりを取る場合は「肩井」、手の痛みやしびれを感じるときは「合谷」を刺激しましょう。脳性小児麻痺と付きあうには、痛みや疲れを残さないのが何よりも重要です。
小児麻痺のコラム一覧
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投稿日:2018/11/28
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