はり・きゅう・整体  ひかり堂の施術例

肩

慢性的な頭痛・首肩こり

2020.02.01

病院での診断

筋緊張型頭痛

これまでの経過

20代前半頃から首や肩のこりが気になりはじめ、30代中頃からたまに頭痛を感じるようになった。
40代に入る頃から肩首のこりがひどくなり、頭痛がおこる頻度がどんどん増えていき、そのたびに頭痛薬を服用するようになった。ここ3年くらいは予防的に頭痛薬を服用するようになり、ほぼ毎日服用し、多い時は1日に3回服用している。
頭痛外来は受診しておらず、かかりつけの内科で「筋緊張型頭痛」と診断された。
頭痛薬は病院で処方された薬と市販薬を服用している。(いずれもロキソニン)
年齢的にもうすぐに50歳を迎える時期になり、今後も頭痛薬を飲み続けていくことに不安を感じ当院を受診された。
頭痛薬を減らしたい、できれば飲まずに生活できるようになりたいという希望がある。

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鍼灸院としての診断

・病院で「筋緊張型頭痛」と診断されていること
・肩首(特に首)のこりが非常に強いこと
・たまにマッサージを受けると一時的に頭痛が軽減すること
・脈打つような痛みではなく吐き気もおこらないこと
・雨の前や台風接近時に頭痛はひどくならないこと
・仕事や家庭で特に大きなストレスは抱えていないこと
・少なくとも3年以上頭痛薬を1日に2~3回服用していること

上記のことから、「気圧性頭痛」や「片頭痛」は考えにくく、「筋緊張性頭痛」と長年頭痛薬を服用していることから「薬剤性頭痛」と考えた。

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治療方針

1.肩首のこりを緩め、血流をよくする → 整体・鍼灸施術
2.薬の飲み過ぎによる知覚過敏を改善する → 鍼灸施術
3.予防的な頭痛薬の服用をやめる → 生活指導

骨盤など骨格的には大きな歪みはないため、肩・首を中心に全身のこりを緩め血流をよくしていくことを目的にした整体と鍼灸の施術をおこなっていく。
同時に予防的に服用している頭痛薬の回数を減らしていくことで薬剤性頭痛が改善していくことを理解してもらい、服薬の意識を変える働きかけを行う。



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治療内容

<1診目>
肩・首のこりがひどく、特に首はストレートネックで左右の回旋は45°程度しか回らない状態。
身体全体のバランスを整え、こりをほぐす目的の整体施術後、肩甲挙筋・僧帽筋、後頭下筋群に刺鍼。
施術後視界が明るくなったとのことで、首の回旋が90°近く回るようになった。
患者さんには頭痛の要因は
・首肩のこりによる血流の悪さ
・頭痛薬の飲み過ぎによる痛みに対する知覚過敏
であることを説明し、予防的に頭痛薬を服用することは極力我慢していくよう話し理解をして頂いた。
そして、頭痛の有無や頭痛薬の服用、肩首こりの状態等を毎日記入してもらうチェック表をお渡しし、受診ごとに相互に頭痛の状況を確認するようにした。

<2診目>
5日後受診して頂いた。
前回同様肩首のこりを緩め、血流をよくしていく目的で同様の施術を行う。
初診から2日くらいは肩首のこりは楽だったとのこと。
頭痛は痛みは軽減したような気はするが、頭痛薬は毎日服用し回数も変わっていない。

<3診目>
1週間後に受診して頂いた。
同様の施術を行う。

肩首のこりが楽になってきたとのこと。(首や肩を回してもゴリゴリ鳴らなくなった)
朝起きた時の首の痛みが楽になり、起きた瞬間からおこってくる頭痛はすごく減ったとのこと。
頭痛薬は毎日服用しているが、1日1回だけの日が3回あった。

<4診目>
4日後に受診して頂いた。
同様の施術を行う。
前回から中3日であり、肩首のこりは非常に楽であった。
1日だけ頭痛薬を飲まずに過ごしてみたがひどい痛みはおこらなかったとのこと。

<5診目>
前回から10日後に受診して頂いた。
施術内容は同じ。

頭痛薬は1日1回でおさまっており、9日間で頭痛薬を服用しない日が2回あった。
まだ不安は強いが頭痛がおこりそうでおこならい感覚がででてきたので頭痛薬は我慢できそうな気がするとのこと。

<6診目>
1週間後に受診して頂く。
同様の施術内容を継続。

朝おきた時の首の痛みがすごく楽でおきた瞬間からおこる頭痛も感じなくなってきた。
明らかに頭痛の”痛み”は大幅に軽減しているとのこと。
この1週間は頭痛薬は服用を我慢できた日が3回あったとのこと。

<7診目>
2週間後に受診して頂く。
同様の施術を継続。

少し間隔が空いたので心配していたが、頭痛自体は軽減しており、最初の1週間は頭痛薬を服用したのは2回だけだったとのこと。
2週目に入り、肩首のこりが気になりはじめた時に少し強めの頭痛を感じた。
もう1日2回以上頭痛薬を服用することはない。

<8診目>
2週間後に受診して頂く。
同様の施術を行う。

この2週間で頭痛薬を服用したのは3回に激減し、最初の1週間は全く服用せずに生活できたとのこと。
朝おきた瞬間の頭痛はほとんど感じなくなり、強い痛みの頭痛もおこっていない。
頭痛がおこりそうな感覚があっても服薬を我慢できるようになり、そんな時は結局頭痛はおこらないことがわかったとお話し頂いた。

<9診目>

2週間後に受診して頂く。
施術内容は同じ。

2週間で頭痛薬の服用したのは3回のみで予防的な服薬は我慢できている。
肩・首のこりもあまり気にならず生活できたとのこと。

<10診目>

4週間後に受診して頂く。
施術内容は変わらず。

4週間で頭痛薬の服用は3回。痛み自体は以前よりもはるかに軽減しているとのこと。
頭痛薬を飲まずに過ごせる日が圧倒的に多くなったことで頭痛のことを気にせずすっきりとした気持ちで生活できることが嬉しいとお話し頂いた。

<11診目>
6週間後に受診して頂く。
施術内容は同様。

6週間で頭痛薬の服用は2回。前半の4週間は頭痛薬は1回も服用しなかったとのこと。
1ヶ月頭痛薬を服用せずに過ごせたことは患者さんにとって大きな自信となった。
予防的な服薬は全くないとのこと。
首肩のこりを感じるようになってくると頭痛がおこる気配がしてくるそうで、今後はこりが強くなる前に受診して頂くよう話し治療としては終了となった。
現在は2~3ヶ月に1回程度のペースで受診して頂いており、良い状態を維持して頂いている。

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施術回数・頻度・期間

患者さんは仕事が不定休のためなかなか当院の提案どおりにはならなかったが、熱心に通院頂いた。

・筋緊張型頭痛は鍼灸で確実に改善していくこと
・薬の飲み過ぎによる知覚過敏の要因が大きいこと
をしっかりと理解して頂き、チェック表の記入など治療に前向きに取り組んで頂いた結果、長年の服薬習慣を我慢し大幅な減薬に繋がったと考えています。
施術回数11回、治療期間は約5ヶ月。

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施術後のケア

1.頭痛チェック表の活用
2.家でストレッチポールの活用を勧める

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