はり・きゅう・整体  ひかり堂の施術例

背中

背中の痛み・パニック障害

2020.01.28

病院での診断

パニック障害

これまでの経過

2年前に旅行中に激しい動悸と息苦しさに襲われ過呼吸となり救急車で病院に搬送される。
症状は30分程でおさまったが、検査のため入院となる。
MRIなど検査では異常はなく翌日退院したが、三重に戻ってからも強い背中の痛みと急に息苦しくなる症状が続き精神的にもつらい状態となり仕事を休職し病院を受診する。
最初に背中の痛みで整形外科を受診するが、レントゲンで異常はなくシップと鎮痛剤での治療となる。
その後背中の痛みは多少改善するが、急な動悸や不安感はさらに強まり精神科を受診し、パニック障害と診断された。
抗不安薬(ワイパックス)と抗うつ薬(ジェイゾロフト)、睡眠導入剤を処方され服用するようになる。
1ヶ月会社を休職した後復職し、その後買物や家事など日常生活は何とかできるようになったが、背中の痛みが続いていること、急な動悸と息苦しさに襲われ仕事を早退することがたまにあるという状態で当院を受診された。
(問診表には背中の痛みのことだけが記入されていたが、問診時にパニック障害のことをお話された)
患者さんは精神科の薬(抗不安薬・抗うつ薬)を服用せずに生活できるようになりたいという明確なゴールをお話し頂いた。

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鍼灸院としての診断

精神科で「パニック障害」と診断されていることから「パニック障害」としての施術を行っていった。
ただし、不安感はあるが、強い予期不安で外出できないということはないので症状は比較的早期(3ヶ月~6ヶ月)に改善していくのではないかと考えた。

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治療方針

・背中の痛みの他、急な動悸、下痢をしやすい、食欲不振、生理  痛、不眠・不安感などの様々な症状があることから

☆交感神経の過緊張を抑え自律神経のバランスを整えること
☆精神安定を図ること
を目的に鍼灸と整体を組み合わせた施術を行った。

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治療内容

・身体の歪みを整える → 整体施術
・交感神経(心身)の過緊張を和らげる → 整体施術・鍼灸
・精神安定 → 鍼灸

患者さんにはまずは3ヶ月後の改善予定を提示し、3ヶ月は極力当院の提案どおり通院して頂くよう話した。
(現在の状態を10とすると3まで改善する)
そしてパニック障害は薬物療法と鍼灸や整体、運動などを組み合わせていくことで必ず良くなることをお話しした。
また「薬を服用せずに生活できるようになりたい」という明確な目標があるが減薬・断薬については精神科の先生と相談しながらやっていくよう話した。

<1診目>
身体的には背中の痛みの自覚症状の他、背中・肩・首の緊張が強いため骨盤調整とこりを緩めるために整体施術を行い、その後交感神経の過緊張を抑え、心身のリラックスのための鍼灸施術を行った。

<2診目>
3日後に来院して頂く。
1診目のあと身体がとても軽くなり、背中の痛みが半分くらいになったと喜んで頂いた。
1診目と同様整体と鍼灸の施術を行う。

<3診目・4診目>
それぞれ3日おきに来院して頂く。
・身体が軽く、夜眠りやすくなったとのこと。
・背中の痛みはほとんど気にならない状態に改善。
・会社では息苦しさがおこることが多い。

<5診目~10診目>
1週間に1回のペースで受診して頂く。
施術内容は変わらず、整体と鍼灸の施術を行う。
・当院受診後2度目の生理は生理痛がなかったとのこと。
・食欲がでてきた。
・お腹の調子が良くなった(下痢をしなくなってきた)
・急な息苦しさを感じる回数は減ってきたとのこと。

※身体の不調がよくなってきていることでかなり自信がついてきた様子で表情がすごく明るくなったと感じる。
精神科の先生と相談し抗不安薬(ワイパックス)は半錠にして服用するようになったとのこと。
当院受診後2ヶ月で減薬を開始できたことは私にとっても非常に嬉しいことであった。

<11診目~14診目>
1週間の1回のペースで受診頂く。
施術内容は変わらず。
抗不安薬は1日おきに半錠服用する頻度となりさらに減薬がすすんだ。(抗うつ薬は変更なし)
患者さんとっては断薬という目標が良いモチベーションとなっている。
会社での息苦しさや不安感はかなり軽減したとのこと。

<15診目~20診目>
2週間に1回のペースで受診。
・当院受診後4ヶ月で体重が5kg増えたと喜んでおられた。
・台風など低気圧時や会社でのトラブル等大きなストレスがかかった時に動悸や息苦しさを感じるが、それ以外の日常生活にはもう全く不安なく過ごせているとこことで治療としては終了となる。
現在は患者さんのペースで3~4週間に1回程度の頻度で受診して頂いている。
(1年経過後の現在もメンテナンスとして継続して通院中)

初診時に
・3ヶ月で症状を「10」→「3」にしていく
・精神科の薬を断薬する
という目標を共有できたことが非常に大きかったと思います。

2ヶ月で抗不安薬の減薬が開始できたことで患者さんのモチベーションが上がり、初診から6ヶ月で抗不安薬(ワイパックス)は完全に断薬となり、初診から1年強で抗うつ薬も断薬となった。

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施術回数・頻度・期間

<1診目~4診目>
1週間に2回のペースで受診して頂いた。

<5診目~14診目>
1週間に1回のペースで受診して頂いた。

<15診目~20診目>
2週間に1回のペースで受診して頂いた。

<21診目以降>
3~6週間に1回のペースで現在も受診して頂いている。

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施術後のケア

家でのセルフケアの一環として「ストレッチポール」を活用して頂いた。
この患者さんの場合はストレッチポールに乗ることをほぼ毎日実行して頂いたことで胸郭を広げゆったりとした呼吸の安定につながったと考えています。

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