ヒーラーとの出会いが人生の岐路に

Q. 石原先生はなぜ鍼灸の世界へ足を踏み入れたのでしょうか？
また石原先生自身のことを教えください。

私は薬学生のときに、とても感心のあった漢方薬をサークルで学んでおりました。活動では東洋医学的知識がないと理解できない部分があったため、大学と平行して鍼灸の学校に通いました。専門学校卒業後、急性・慢性・難病と鍼灸漢方で大きな成果を収めていましたが、一時は鍼灸を辞めてヒーリングの道へ進もうと考えた時もありました。そんな時イギリス人のヒーラーと出会い、鍼灸の必要性に納得し、今日に至っています。

古代九鍼がもつ秘密

Q. 先生は鍼灸師が疎遠になりつつある古代九鍼を使用した治療を行っておられますが、
なぜそのような治療方法をとられているのですか？

真に病の症状を変えられる鍼で治療ができればいいなと思ったのがきっかけです。細くて軽い鍼はその場で症状が楽になっても、病気が重度である場合、病を根本的に変える事が出来ないため、短期間で治療前の状態に戻ってしまうのです。ですので、種類が豊富で応用が利く大胆な九鍼を使おうと考えました。大胆な治療ではありますが、九鍼と共に病へのポジティブな意識を持ってもらうことで、短期間でも改善することが出来るのです。

「病は気から」は本当だった

Q. 九鍼ってすごい力を持った鍼なのですね。
ちなみに先生は病気をどう捉えていらっしゃるのでしょうか？

病気は人生の過程で必要としたときに現れるものです。心に秘めている感情が表に出てきたものであり、自分自身が解決しなくてはならない問題を抱えている証拠なのです。人間としては心に痛みを抱え悩むよりも、体に痛みを抱えて悩む方がよほど楽ですからね。また、血液が汚れたり、内臓が弱っていても病気の症状が出なければ、人はあっという間に死に至ってしまいます。病気は体の異常を知らせてくれるサインであり、自己治癒力が発動したときに症状として現れるのです。

どんな症状にも迷わず挑む

Q. 先生の鍼灸治療を受けにくる方はどのような方がいらっしゃいますか？

治療に来る方は4系統に分類することができます。1つ目は「治療系」といって、病気やけがを訴える方々です。これは鍼灸治療の8割を占めていますね。2つ目は「未病系（健康法）」といって風邪をひきやすかったり、体調管理の為に来る方。3つ目は「癒し系」といって神経症やうつ病、統合失調症の方。この方々を問診すると、心やライフスタイル、例えば睡眠時間、睡眠の質、食事、全てが乱れている場合が多いです。4つ目は「本質系」。これは、自我では気づくことのできない、大きなメッセージがある病気が多いですね。癌が代表例です。いずれの系統においてもアプローチ方法を変えて症状改善と真我（内なる神仏）との出会いを試みます。

元気の秘訣はうっぷん吐き出し

Q. ちなみに４つの中で先生が得意とする系統はどれでしょうか？

近年「癒し系」の治療に注目をしております。心理的要因が関係することが多い癒し系の患者さんには話を聞くことを第一とします。例えば、突然耳が聞こえづらくなったという60代の女性の患者さんが立て続けにくる時期がありました。話を聞くと、定年退職して家にいる夫の小言にうんざりしているとのことでした。また、ある日歩行困難な患者さんが来ました。話を聞いていくと、仕事が嫌で職場に行くことが億劫とのことでした。欝症状をはじめ癒し系の治療に来られている方々は思いを内にしまい込んでしまう傾向にあるので、共感をベースに蓄積している感情を吐き出してもらい、自分の真の姿を知るということでよくなる例は多々あります。

おすすめの先生紹介

Q. 石原先生ありがとうございました。最後に石原先生のおすすめの先生を教えてください。

VAMFIT、天地人治療、一本鍼など多くの書籍を書いている、木戸正雄先生です。木戸先生は細く短い軽い鍼を使用しているのですが、広い視点に立ち、症状を確実に変えていくことのできる素晴らしい先生だと思います。